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雑踏警備業務の配置基準に関するQ&A

目次

質問と回答

1 検定合格警備員の配置義務がかかる雑踏警備業務の範囲

問1 すべての雑踏警備業務に検定合格警備員の配置義務がかかるのか。小規模なイベント等の雑踏警備業務については、検定合格警備員の配置は必要ないのではないか。
(答) 雑踏事故は、イベントの種類・規模、室内・屋外の別、人口密度の平均値等に関わらず、例えば群衆の動線上におけるボトルネックの発生、群衆の心理状況の変化等により、いつでもどこでも発生し得るものであることから、検定合格警備員の配置については、イベントの規模等によって配置の有無に差異を設けることなく、すべての雑踏警備業務について、検定合格警備員を配置する必要がある。

2 雑踏警備業務の定義

(1) 総論

問2 イベント等の警備を行うに当たり、人の雑踏の整理(雑踏警備業務)のほかに、部分的に、施設の警備業務(1号業務)や交通誘導警備業務等を行うこともある。このような場合、これらの業務は雑踏警備業務に包括されるのか。
(答)  通称「雑踏警備」と呼ばれているイベント等に伴う警備においても、警備業法第2条第1項第1号に規定する警備業務(以下「1号業務」という。)や警備員等の検定等に関する規則(以下「検定規則」という。)第1条第4号に規定する交通誘導警備業務が、検定規則第1条第3号に規定する雑踏警備業務に包括されるものではない。
問3 個々の警備業務が雑踏警備業務に該当するか否かが不明確ではないか。
(答)  雑踏警備業務の定義については、検定規則第1条第3号において、「警備業法第2条第1項第2号に規定する警備業務のうち、人の雑踏する場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務(雑踏の整理に係るものに限る。)」と規定されており、個々の警備業務が雑踏警備業務に該当するか否かは、個々の警備業務ごとに、当該業務の委託契約書等の内容、業務の実態等から雑踏警備業務の定義に該当するか否かをみて判断されるものである。

(2) 1号業務との関係

問4 百貨店、スーパー等における開店、大売出し、イベント等に伴う警備は雑踏警備業務に該当するのか。
(答)  一般に、百貨店、スーパー等における開店、大売出し、イベント等に伴う警備は、多数集まった客が混雑により転倒し負傷すること等を警戒し、防止する業務(具体的には、アナウンス、誘導等により、集まった客の整理を行う業務)である場合が多いと考えられ、このような「人の雑踏の整理」を行う業務は雑踏警備業務に該当する。
 ただし、開店や大売出しに伴う警備であっても、混雑に乗じた万引きやスリの警戒を行う業務や、駐車場において車両の誘導を行う業務である場合には、「人の雑踏の整理」に係る業務ではないことから、雑踏警備業務には該当しない。
問5 プール監視業務は雑踏警備業務に該当するのか。
(答)  一般に、プール監視業務は、来場者が溺れたり、飛込み等の際にけがをしたりすることを防止するとともに、そのような事態が生じた際に適切に対処することがその業務であると考えられ、このような業務は「人の雑踏の整理」に係る業務ではないことから、雑踏警備業務には該当しない。
 ただし、プール監視業務であっても、多数の来場者が混雑により転倒し負傷すること等を警戒し、防止する業務(具体的には、アナウンス、誘導等により、来場者の整理を行う業務)を行う場合には、当該業務は雑踏警備業務に該当する。
問6 サッカーやコンサート等に伴う警備において、来場者に対する金属探知機を使用した手荷物検査や警備区域内の巡回など、1号業務的な業務を行う場合もあるが、これらの業務は雑踏警備業務に該当するのか。
(答)  手荷物検査や警備区域内の巡回といった業務は通常1号業務に該当し、雑踏警備業務には該当しない。ただし、これらの業務がサッカーやコンサート等に伴って行われる場合には、例えば、混雑する入口ゲートにおいて手荷物検査を行っている警備員が入場客に対する整列の呼び掛けも行うような場合や、巡回警備を行っている警備員が雑踏事故防止の呼び掛けも行う場合など、手荷物検査や警備区域内の巡回を行っている警備員がその任務として「人の雑踏の整理」を兼ねている場合もあり、このような業務は雑踏警備業務に該当する(この場合、一人の警備員が1号業務と雑踏警備業務の両方を行っていることとなる)。

(3) 交通誘導警備業務との関係

問7 イベント警備として受注した業務の中に来場者用駐車場における警備業務を含んでいる場合、当該業務は雑踏警備業務に該当するのか。
(答)  一般に、駐車場における警備業務は、車両の誘導がその業務であり、それに伴い発生する駐車場内を歩く乗降客の誘導も「人の雑踏の整理」には該当しないことから、当該業務は雑踏警備業務には該当しない。  ただし、駐車場において、例えば駐車場を横切ってイベント会場へ向かう多数の歩行者の整理を行うなど「人の雑踏の整理」を行うような場合には、その業務は雑踏警備業務に該当する(一人の警備員が交通誘導警備業務と雑踏警備業務の両方を行う場合もある。)。
問8 マラソン大会の警備において行われる車両の誘導、交通規制等は雑踏警備業務に該当するのか。
(答)  車両の誘導や交通規制等は、「交通の誘導」として行われる人や車両の誘導であれば交通誘導警備業務であり、雑踏警備業務に該当しないが、例えば、多数の人が交差点に密集する場合に当該密集している人の整理を行うなど「人の雑踏の整理」を行う場合には、その業務は雑踏警備業務に該当する(一人の警備員が交通誘導警備業務と雑踏警備業務の両方を行う場合もある。)。
 交通誘導警備業務としての人の誘導等に該当するのか、雑踏警備業務としての人の雑踏の整理に該当するのかは、個々の警備業務ごとに、当該業務の委託契約書等の内容、業務の実態等から判断することになるが、通常、多数の観衆が見込まれる場所において実施する警備の契約においては、雑踏警備業務を行うことが想定されているものと考えられる。
問9 マラソン大会の警備において、観衆がおらず交通誘導警備のみを行うエリアが存在する場合もあるが、そのようなエリアについても雑踏警備業務の検定合格警備員の配置義務がかかるのか。
(答)  雑踏警備業務の検定合格警備員の配置は、雑踏警備業務を行う場所(当該場所が二以上の区域に区分される場合には、それらの区域)を基準にするものであることから、あるイベントの警備エリアの中に雑踏警備業務を全く行わない部分があり、当該部分が雑踏警備業務を行う区域のいずれにも含まれない場合には、当該部分については雑踏警備業務の検定合格警備員を配置する必要はない。

3 雑踏警備業務と他の警備業務の兼務

問10 マラソン大会の警備において、沿道に参集した人の雑踏の整理(雑踏警備業務)と、交差点や駐車場に出入りする車両の誘導(交通誘導警備業務)の両方を行う場合、雑踏警備業務と交通誘導警備業務を明確に区分し、別々の警備部隊が行わなければならないのか。
(答)  雑踏警備業務と交通誘導警備業務を区分して行う必要はなく、一つの警備部隊が雑踏警備業務と交通誘導警備業務の両方を担当しても差し支えない。

4 雑踏警備業務と他の警備業務の配置基準の重複

問11 マラソン大会の警備において、コースの中に交通誘導警備業務の検定合格警備員の配置義務がかかる道路があり、当該道路において交通誘導警備業務と雑踏警備業務の両方を行う場合、どちらの配置基準が優先されるのか。二重の配置義務がかかるのか。
(答)  交通誘導警備業務と雑踏警備業務の両方について検定合格警備員の配置義務がかかる場合、両方の配置基準を満たす必要がある。
問12 マラソン大会の警備において、一つの警備部隊が、参集した人の雑踏の整理(雑踏警備業務)と車両の誘導(交通誘導警備業務)の両方を行う場合において、それぞれの業務が配置基準の対象となる場合、両方の検定合格証明書の交付を受けた一人の警備員が兼務することは可能か。
(答) 一つの部隊が雑踏警備業務と交通誘導警備業務の両方を行う場合において、一人の警備員が両方の検定合格警備員を兼ねても差し支えない。

5 区域

問13 配置の基準として、区域ではなく、警備員の人数や警備業務を行う場所の面積など数値的な基準を用いるべきではないか。
(答)  雑踏警備業務における検定合格警備員の配置の必要性は、個々の雑踏警備業務ごとに異なるものであり、警備員の人数や警備業務を行う場所の面積によって一律に決まるものではないことから、これらを配置の基準とすることは適当でない。
問14 個々の雑踏警備業務における区域はだれが決定するのか。
(答)  検定規則に規定する雑踏警備業務における区域は、イベントの主催者等警備業務の委託者と警備業者との間で締結する契約において定められるものである。
なお、警察においても、警察法第2条の責務を果たすため、主催者に対して必要な指導を行う場合がある。
問15 区域の区分について、検定規則において、「雑踏警備業務を行う場所の広さ、当該場所において予想される雑踏の状況、当該雑踏警備業務に従事する警備員の人数及び配置の状況その他の事情により」「警備業務の実施の適性の確保」の観点から区分されることとされているが、区域の区切り方の数値的な基準はないのか。
(答)  適正な区域は、個々の雑踏警備業務ごとに異なるものであることから、機械的に当てはめれば適正な区域が決まるような基準を示すことはできない。
問16 区域の区切り方に関して警備業法に基づく行政処分がなされることがあるのか。
(答) 区域は、雑踏警備業務を行う場所の広さ、当該場所において予想される雑踏の状況、当該雑踏警備業務に従事する警備員の人数及び配置の状況その他の事情を勘案して雑踏警備業務の実施の適正の確保上から定められるものであることから、定められた区域の区切り方について、警備業法に基づく行政処分がなされることは想定されない。 なお、雑踏警備業務を行う場所又は区域ごとに配置すべき検定合格警備員が配置されていない場合には、警備業法違反となり、行政処分の対象となる。
問17 警備業者の責任者等が警備本部に詰める場合、当該警備本部がある場所は当該警備業者にとって配置基準の対象となる区域に該当しないと考えてよいか。
(答)  ある区域における検定合格警備員の配置義務は、当該区域の警備を担当している警備業者のみにかかり、これは、警備本部が設けられている地点を含む区域においても同様である。
警備本部が設けられている地点が雑踏警備業務を行ういずれの区域にも含まれない場合には、当該地点についてはいずれの警備業者にも検定合格警備員の配置義務はかからない。
問18 イベント会場から離れた駅前において、人の雑踏の整理は必要ないものの、イベント会場までの道順を案内する必要から一人の警備員を配置する場合、当該警備員はどの区域に入れるべきか。イベント会場の中の一つの区域を広げて駅前も含むようにした場合、二級検定合格警備員の指導が行き届かないことから、駅前を一つの独立した区域とすべきか。
(答)  駅前に配置された警備員が案内業務のみを行う場合、当該業務は雑踏警備業務に該当しないことから、当該警備員が配置されている駅前を雑踏警備業務の区域に含める必要はない。
問19 一つの業者が一つのイベントにおいて、それぞれ独立した複数の契約を締結して雑踏警備業務を実施する場合、一級検定合格警備員の配置の必要性については、契約ごとに別個に考えて、それぞれの契約が一区域のみであれば一級検定合格警備員を配置しなくてもよいのか。
(答)  別個の契約に基づいて配置された警備員は、それぞれの契約に基づいて警備を行うものであることから、一級検定合格警備員の配置の必要性については、それぞれの契約ごとに別個に考えることとなる。
問20 スタート地点とゴール地点が異なるマラソン大会において、ある警備業者の警備部隊がスタート地点(一区域のみ)で雑踏警備業務を実施した後、ゴール地点(一区域のみ)に移動して雑踏警備業務を実施する場合、一級検定合格警備員を配置しなくてもよいか。
(答)  一級検定合格警備員の役割は、複数の区域(=複数の部隊)全体の統括管理であることから、ある一時点においては一区域のみにおいてしか雑踏警備業務を行わない場合には、一級検定合格警備員を配置する必要はない。

6 一級検定合格警備員の配置

問21 一級検定合格警備員の役割は何か。一級検定合格警備員が、ある固定の配置ポストについて警備業務を実施してもよいのか。
(答) 一級検定合格警備員の役割は、高度に専門的な知識及び能力を生かして、事前においては、事前調査を踏まえての各区域への適切な警備員の割り振り等を行い、また、当日においては、担当区域全体の状況の把握及び分析、各区域の二級検定合格警備員に対する情報提供、複数の区域にまたがる動線の切替えや警備員の配置転換に関する指示、(遊撃部隊を配置している場合には)遊撃部隊の運用に関する指示、警察及び主催者との連絡調整等を行うことが想定されている。
一級検定合格警備員について、固定の配置ポストについて警備業務を実施することを禁止又は制限する規定はないが、一級検定合格警備員の配置義務を課す趣旨にかんがみ、一級検定合格警備員として求められる役割を果たすことができるような形で配置されるべきである。
問22 一つのイベント警備を複数の警備業者が分担して行う場合には、全体を統括管理する一級検定合格警備員を置くべきではないか。
(答)  警備業法第21条第2項において、警備業者は、警備業務を適正に実施させるため、自己が使用して警備業務に従事させる警備員に対して必要な指導及び監督を行うことが義務付けられている。また、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第4条第1項において、警備業務における労働者派遣事業が禁止されている。これらにかんがみると、警備員が警備業法の規定による規制を受けている警備業者の使用関係を離れて警備業務を行うことは、不適正な警備業務の実施を誘発するおそれがあり、警備業法の趣旨を没却することにもなる。
 したがって、一つのイベント警備を複数の警備業者が分担して行う場合であっても、他の警備業者の警備員に指揮命令を行うこととなるような全体を統括管理する一級検定合格警備員について、その配置の基準を定めることはできない。

7 二級検定合格警備員の配置

問23 二級検定合格警備員の役割は何か。二級検定合格警備員が、ある固定の配置ポストについて警備業務を実施してもよいのか。
(答) 二級検定合格警備員の役割は、いわゆるプレイングマネージャーとして、担当区域において、自ら適切な警備業務を実施すること及び他の警備員に対して適切な指導を行うことにより、平時においては雑踏事故の発生を防止し、また、一たび事故が発生した場合には被害の拡大防止のための措置を講じることが想定されている。
したがって、二級検定合格警備員が固定の配置ポストについて警備業務を実施することは差し支えない。

8 警備員指導教育責任者の転用

問24 警備員指導教育責任者の資格を有する者を検定合格警備員とみなして配置することは認められないのか。
(答)  警備員指導教育責任者は、警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、その計画に基づき警備員を指導及び教育する者であり、そもそも検定合格警備員とは役割を異にしており、警備員指導教育責任者の資格を有することが、検定合格警備員が有する知識及び能力をも兼ね備えていることを保証するものではない。
 したがって、警備員指導教育責任者の資格を有する者を検定合格者とみなすことはできない。

9 警察による事前指導

問25 雑踏警備業務に配置基準が設けられることにより、これまで警察による事前指導を受けていなかった雑踏警備業務についても事前指導を受ける必要が生じるのか。
(答) 今回の検定規則の改正によって、警察の雑踏警備担当部門が行うこれまでの実務に何ら変更が加わるものではない。 なお、雑踏警備業務に配置基準が設けられることに伴う警備業者に対する警備業法の解釈に関する指導は、警察の警備業担当部門において実施することとなる。