警察犬運用要領の制定について(例規)

(最終改正:平成20年8月21日 鑑第59号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
犯罪捜査その他の警察活動を効果的に行うため、下記のとおり警察犬の指定及び運用について必要な事項を定め、昭和63年10月1日から実施することとしたので、適正な運用に努められたい。
なお、「警察犬運営要綱の制定について(例規)」(昭和44年1月4日付け鑑第1号)は、廃止する。
第1 趣旨
この要領は、警察犬運用要綱(昭和48年5月10日付け警察庁乙刑発第3号)に基づき、和歌山県警察における警察犬及び警察犬指導手等の運用について必要な事項を定めるものとする。
第2 定義
この要領における用語の意義は、次のとおりとする。
(1) 「警察犬」とは、警察本部長(以下「本部長」という。)が指定する畜犬をいう。
(2) 「指導手」とは、警察犬を使役する者で、本部長が嘱託(指定)する者をいう。
(3) 「足跡追及」とは、逃走犯人、行方不明者等の追跡及び各種捜査資料を発見する活動をいう。
(4) 「臭気選別」とは、遺留品等から犯人を特定したり、余罪を確認する活動をいう。
(5) 「捜索救助等」とは、震災等による被災者の捜索救助、行方不明者等の人の捜索及び爆発物等の物を捜索する活動をいう。
第3 警察犬審査委員会
1 警察犬審査委員会の設置等
(1) 設置
警察犬の資格審査、指導手の選考等の適正を図るため、警察本部に警察犬審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(2) 構成
委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって構成し、それぞれ次の者をもって充てる。
ア 委員長  刑事部長
イ 副委員長 鑑識課長
ウ 委員   捜査第一課長
エ  〃   警備課長
オ  〃   鑑識課の警部以上の者
カ  〃   その他委員長が指名した者
(3) 任務
委員会の任務は、次のとおりとする。
ア 警察犬(所有者)資格審査会(以下「審査会」という。)の開催及び資格審査に関すること。
イ 指導手の選考に関すること。
ウ 警察犬競技会(以下「競技会」という。)の開催及び審査に関すること。
(4) 会議
委員会は、必要に応じ委員長が招集する。
(5) 庶務
委員会の庶務は、鑑識課において行う。
2 警察犬の資格審査
(1) 審査会の開催
審査会は、「足跡追及・臭気選別の審査会」と「捜索救助等の審査会」を開催するものとする。
(2) 審査対象畜犬
審査対象畜犬は、和歌山県内で飼育されている畜犬とする。
(3) 審査科目
審査科目は、足跡追及、臭気選別及び捜索救助等とする。
(4) 資格審査の申請
資格審査の申請は、警察犬資格審査申請書(別記様式第1号)に狂犬病予防注射済証及び申請者の住民票(外国人の場合は登録原票記載事項証明書)又は運転免許証の写し等を添えて申請するものとする。
(5) 審査免除
前記(4)の申請を経た畜犬のうち、次のいずれかに該当する警察犬は、前記(3)の審査科目を免除することができる。
ア 出動実績からみて、特に能力が優れていると認められる警察犬
イ 競技会において優秀な成績を収め、特に能力が優れていると認められる警察犬
ウ 捜索救助等のうち、爆発物等の捜索については、委員会の指定する訓練において、特に能力が優れていると認められる警察犬
(6) 畜犬所有者の審査
審査対象畜犬の所有者については、警察活動に支障がないかどうか慎重に審査するものとする。
3 指導手の選考
(1) 選考基準
指導手の選考基準は、次のとおりとする。
ア 警察犬の使役能力に優れていること。
イ 現場出動が可能であること。
ウ その他健康で警察諸活動に理解を持つ等の適格性を有していること。
(2) 警察犬に対応する指導手の数
前記(1)の基準により、警察犬1頭に複数の指導手又は警察犬数頭に指導手1人を選考することができる。
(3) 指導手選考の申請
指導手選考の申請は、指導手選考申請書(別記様式第2号)に警察犬所有者の承諾書及び申請者の住民票(外国人の場合は登録原票記載事項証明書)又は運転免許証の写し等を添えて委員会に申請するものとする。
第4 警察犬の指定等
1 警察犬の指定(解除)
(1) 指定(解除)権者
警察犬の指定(解除)権者は、本部長とする。
(2) 指定基準
警察犬に指定する畜犬は、委員会が行う資格審査に合格した畜犬とする。
(3) 指定の解除
警察犬が次のいずれかに該当するときは、指定を解除することができる。
ア 警察犬が死亡、疾病等の理由により使役できなくなったとき。
イ 警察犬の所有者が替わったとき。
ウ 警察犬の所有者が指定を辞退したとき。
エ 指導手が嘱託を解除されたとき。
オ その他の事情により、警察犬として指定しておくことが適当でないと認めたとき。
(4) 指定期間
警察犬の指定期間は、指定の日から起算して1年間とする。
(5) 指定書の交付、返納等
ア 警察犬に指定した場合は、所有者に警察犬指定書(別記様式第3号。以下「指定書」という。)を交付すること。
イ 警察犬の指定を解除されたときは、指定書を返納させること。
ウ 指定書を紛失又は破損したときは、速やかにその旨を届出させ再発行すること。
2 指導手の嘱託
(1) 嘱託(解除)権者
指導手の嘱託(解除)権者は、本部長とする。
(2) 嘱託基準
委員会が選考した者のうちから嘱託する。
(3) 嘱託の解除
指導手が次のいずれかに該当するときは、嘱託を解除することができる。
ア 指導手が死亡、疾病等の理由により指導手としての任務を遂行できなくなったとき。
イ 刑事事件に関し起訴されたとき。
ウ 指導手としての信用を傷つけ、又は不名誉な行為があったとき。
エ 使役警察犬が指定を解除されたとき。
(4) 嘱託期間
指導手の嘱託期間は、嘱託の日から起算して1年間とする。
(5) 嘱託書等の交付、返納等
ア 警察犬の指導手に嘱託する場合は、指導手嘱託書(別記様式第4号。以下「嘱託書」という。)及び指導手腕章(別記様式第5号。以下「腕章」という。)を交付する。
イ 嘱託書及び腕章の返納及び再発行については、前記1の(5)のイ及びウを準用する。
第5 警察犬の運用
1 運用責任者
(1) 警察犬に関する事務を総括し、効果的な運用を図るため警察本部に警察犬運用責任者(以下「運用責任者」という。)を置く。
(2) 運用責任者は、鑑識課長とする。
2 出動要請
(1) 所属長は、犯罪捜査その他の警察活動のため必要と認めるときは、警察犬出動要請書(別記様式第6号。以下「要請書」という。)により運用責任者に出動要請することができる。
(2) 所属長は、事態が急迫しており、運用責任者に要請のいとまがないときは、直接指導手に要請することができる。この場合は、事後速やかに運用責任者に要請書により報告すること。
3 出動措置
(1) 運用責任者は、出動要請があった場合は、直ちに警察犬を出動させるための措置を採るものとする。ただし、事案の状況により効果がないと認めるときは出動させないことができ、その旨を当該所属長に通報すること。
(2) 運用責任者は、出動要請がない場合であっても事案の状況に応じ、警察犬を出動させることができる。
4 運用上の留意事項
(1) 原臭の保存
原臭は、足跡追及活動開始の原点となるものであり、最も重要であるので適切に保存しなければならないため、原臭となる遺留品等は直接素手で触れることなく、ピンセットを用いて清潔なビニール袋に収納して密封し、足跡には臭気の発散を防ぐため清潔な容器等を用いて覆いをするなど臭気保存に努めること。
また、臭気選別を行う場合の遺留品等の原臭も二重のビニール袋に収納して密封し、臭気の散逸を防ぎ適切に保存すること。
(2) 現場保存の徹底
臭気による警察犬の活動を行う場合には、臭気の人為的な散逸を防止するため、必ず現場保存の措置を講ずることが重要である。また、単に原臭の保存にとどまらず、現場付近一帯をできるだけ広範囲に車両や人の通行を制限して保存を徹底すること。
(3) 同行警察官の措置
足跡追及には、地理に明るい警察官1人以上を指導手に必ず同行させ、次の点に留意させること。
ア 警察犬に特異な挙動が認められたときは、同行警察官は指導手の意見を聞き、犯人及び足跡、遺留品その他証拠品の捜索及び付近の聞き込み等を行うこと。
イ 警察犬が他人の所有又は管理する建物その他の場所に進もうとする場合は、その所有者又は管理者の承諾を求めるなどの必要な措置を採り、紛議を生じさせないようにすること。
ウ 警察犬が、犯人その他追及した者を発見した場合は、指導手に協力して警察犬がこれらの者に危害を加え、又はこれらの者から警察犬が危害を受けないよう注意し、必要な措置を採ること。
エ 同行警察官は、警察犬より先行しないこと。
(4) 臭気選別
臭気選別に当たっては、原臭とする遺留品等は、事前に写真撮影を行うとともに、必ず立会人を置き、立証措置を採っておくこと。
(5) 捜索救助等
災害による被災者や行方不明者等の捜索及び爆発物等を捜索する警察犬の運用に当たっては、次の点に留意すること。
ア 捜索開始前に指導手と捜索方法等について、具体的に打合せを行っておくこと。
イ 捜索活動に当たっては、必要な人員を確保するとともに資機材を十分に活用すること。
ウ 捜索活動に当たっては、二次災害の防止に十分配意すること。
(6) 指導手の遵守事項
運用責任者は、警察犬を効果的に運用するために、指導手に対し次の事項を遵守させるものとする。
ア 警察犬の能力・体調を維持し、向上させるために、定期的に自主訓練を行うこと。
イ 即時に現場出動に応じられる体制にあること。
ウ 現場出動に際しては、必ず腕章を着用すること。
5 訓練
運用責任者は、警察犬及び指導手の能力を高めるため、毎年数回の訓練を行わせるものとする。
6 報告
(1) 出動結果報告
ア 所属長は、警察犬を出動させたときは、警察犬出動結果報告書(別記様式第7号)により報告すること。
イ 所属長は、警察犬の出動に関し顕著な功績又は特異若しくは重大な事故があったときは、速やかに運用責任者を経て本部長に報告すること。
(2) 訓練結果報告
運用責任者は、訓練結果を部下職員に報告させるものとする。
第6 競技会
1 競技会の開催
競技会は、毎年1回開催するものとする。
2 出場資格
競技会の出場資格は、警察犬及び指導手とする。
3 競技科目
競技科目は、足跡追及、臭気選別及び捜索救助の3科目とする。
4 表彰
競技会において、各科目の優秀犬については、委員会において表彰するものとする。
第7 表彰
1 本部長は、警察犬の使用により功労があったと認めたときは、所有者又は指導手に対して和歌山県警察表彰規程(昭和38年和歌山県警察本部訓令第12号)に定めるところにより表彰するものとする。
2 所属長又は運用責任者は、表彰に該当する事案があったときは、警察犬表彰上申書(別記様式第8号)により上申しなければならない。
第8 公文書ファイル
鑑識課に次の公文書ファイルを備え付け、所要の事項を明らかにしておかなければならない。
(1) 警察犬審査委員会関係書類綴  保存5年
(2) 指導手嘱託名簿(別記様式第9号)  襲用
(3) 警察犬指定台帳(別記様式第10号)  襲用
(4) 警察犬出動要請書綴  保存1年
(5) 警察犬出動結果報告書綴  保存3年
(6) 警察犬表彰台帳(別記様式第11号)  襲用
第9 その他
1 警察職員で警察犬指導手になろうとする者については、次により指定するものとする。
(1) 指導手の選考、指定(解除)等については前記第3の3の指導手の選考及び前記第4の2の指導手の嘱託(解除)を、指導手の遵守事項については、前記第5の4の(6)を準用する。
(2) 指導手に指定する警察職員には、指導手指定書(別記様式第12号)を交付する。
2 審査会及び競技会等の実施要領については、委員長が別に定める。

(別記様式省略)
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