行方不明者発見活動に関する規則の運用について

(最終改正:平成29年1月11日 生企、捜一、鑑第2号)
警察本部長から各所属長あて
このたび、行方不明者発見活動に関する規則(平成21年国家公安委員会規則第13号。以下「規則」という。)が制定され、平成22年4月1日から施行されることとなった。規則の制定の趣旨及び内容、発見活動上の留意事項等は下記のとおりであるので、各所属長にあっては、下記事項について警察職員に周知させ、事務処理上遺憾のないようにされたい。
なお、「家出人発見活動要綱の運用について(例規)」(昭和51年12月4日付け防、鑑、捜一第46号)は、廃止する。
第1 制定の趣旨
行方不明者発見活動の基本である「家出人発見活動要綱の運用について(例規)」の制定後30年以上が経過し、その間、核家族化、単身者の増加など国民の生活形態が変化するとともに、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年法律第31号)その他新たな法律が整備されるなど社会情勢が大きく変化したことから、警察として、これらに対応した発見活動が求められている。また、近年、生命又は身体に危険が及んでいるおそれがある行方不明者が増加するなど、個人の生命及び身体の保護を図るために行う警察による行方不明者発見活動の重要性がより高まっている。
そこで、警察職員の活動の基準として、行方不明者発見活動に関して必要な事項を定め、当該活動の一層確実な実施を図るため、規則が制定されたものである。
第2 総則関係
1 目的(第1条関係)
規則は、個人の生命及び身体の保護を図るために行う行方不明者の発見のための活動、発見時の措置等(以下「行方不明者発見活動」という。)に関し必要な事項を定めることを目的とする。
2 用語の定義(第2条関係)
(1) 行方不明者(第1項関係)
「行方不明者」とは、生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者であって、第6条第1項の規定により届出がなされたものをいう。
(2) 特異行方不明者(第2項関係)
「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者(犯罪被害)
「生命又は身体に危険が生じているおそれ」とは、既に生命又は身体に危害が加えられているおそれがある場合のほか、将来危害が加えられるおそれがある場合をいう。
イ 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者(少年福祉犯被害)
「少年の福祉を害する犯罪」とは、少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号)第37条に規定する福祉犯をいう。
「被害にあうおそれがある」とは、行方不明後、少年の福祉を害する犯罪の被害にあう蓋然性の強いことをいう。当該蓋然性の判断については、単に本人の性別、年齢等の一般的事情のみではなく、性格、素行、言動、行方不明前後の状況、家庭環境等の個別具体的な事情により行うこと。
ウ 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者(事故遭遇)
「その他の事情」とは、気象条件、地形等の個別具体的な事情をいう。
エ 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者(自殺企図)
「その他の事情」とは、異性関係、家庭環境、経済状態、近隣住民との関係等の個別具体的な事情をいう。
オ 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者(自傷他害のおそれ)
「精神障害の状態にあること」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する状態にあることをいう。
「危険物を携帯していること」とは、銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)第2条に規定する銃砲若しくは刀剣類、火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第2条に規定する火薬類又は毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)第2条に規定する毒物若しくは劇物等を携帯していることをいう。
「自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある」とは、性格、素行、言動、行方不明前後の状況、過去の病歴等の個別具体的な事情により、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあることをいい、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼす意思があるかを問わない。
カ 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがある者(自救無能力)
「年少者」とは、おおむね13歳以下の者をいう。
「自救能力がない」とは、当該行方不明者のみで生活する能力がないことをいう。
3 行方不明者発見活動の基本(第3条関係)
行方不明者発見活動を行うに際しては、次に掲げる事項を基本とすること。
(1) 迅速かつ的確な対応(第1号関係)
発見活動の目的である行方不明者の生命及び身体の保護を図るため、行方不明者に係る取扱いについては迅速かつ的確に対応すること。
(2) 必要な捜査の実施(第2号関係)
行方不明となった原因が犯罪被害によるものである可能性を考慮し、事案に応じ、必要な捜査を行うこと。
(3) 関係者の名誉及び生活の平穏に対する配慮(第3号関係)
行方不明者その他関係者の名誉及び生活の平穏を害することがないよう配慮すること。発見活動を行うに当たっては、異性関係、家庭環境、経済状態、近隣住民との関係等の関係者のプライバシーに関わる事項を扱うことから、これらの事項の取扱いについて十分な注意を払うこと。
(4) 警察の組織的機能の発揮(第4号関係)
関係都道府県警察及び警察の各部門が緊密に連携すること。発見活動を行うに当たっては、県警察や生活安全部門のみでは十分な発見活動を行うことは不可能であることから、関係都道府県警察及び警察の各部門が相互に連携し警察全体として発見活動に取り組むことにより、警察の組織的機能を発揮すること。
4 警察本部長の責任(第4条関係)
警察本部長は、関係都道府県警察と緊密な連携を図るための調整を行う。県警察における各部門の連携の状況及び発見活動の進捗状況等を把握し必要な指揮を行うなど個々の発見活動が適正に行われるように全般の指揮監督に当たるとともに、必要に応じて、警察職員に対する指導教養の徹底、発見活動専従班の設置等の発見活動のための体制の整備、発見活動に要する経費の確保、行方不明者照会の励行等を図ることにより、発見活動の効果的な運営に努めることを責務とする。
5 警察署長の責任(第5条関係)
(1) 警察署長は、所属の警察職員を指揮監督し、必要に応じて、各部門を相互に連携させ発見活動のため十分な体制を構築するなどにより発見活動の適切な実施を確保すること。
(2) 警察署長は、行方不明者発見活動に関し直接指揮するものとし、次に掲げる指揮事項について、都度、行方不明者事案指揮簿(別記様式第1号)に記載すること。
ア 行方不明者事案の受理
イ 行方不明者の手配及び登録
ウ 行方不明者発見活動方針の樹立又は変更
エ 他警察署との間の行方不明者事案の引継ぎ
オ 行方不明者に係る資料の公表
カ 関係行政機関若しくは地方公共団体又は関係事業者の協力
キ 規則第24条の2第1項の規定によるDNA型鑑定(以下「DNA型鑑定」という。)の嘱託
ク 行方不明者の発見時の措置
ケ その他行方不明者発見活動につき指揮を要すると認められる事項
第3 行方不明者届の受理等
1 行方不明者届の受理(第6条関係)
(1) 行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長は次に掲げる者から行方不明者に係る届出(以下「行方不明者届」という。)を受理するものとする。
ア 行方不明者の親権を行う者又は後見人(後見人が法人の場合においては、当該法人の代表者又は当該法人に属して後見に係る業務に従事する者であって、行方不明者が確かに行方不明となっているかどうかを的確に判断できるもの)
イ 行方不明者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族
「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」とは、婚姻の届出をしていないために法律上は夫婦として認められないが、社会の一般常識からすれば夫婦としての共同生活を営んでいると認められるような事実関係にある者をいう。
ウ 行方不明者を現に監護する者
エ 福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。)の職員その他の行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
「行方不明者の福祉に関する事務に従事する者」とは、福祉事務所の職員、行政又は社会福祉法人が運営する各種の福祉サービスに従事する者であって、行方不明者が確かに行方不明となっているかどうかを的確に判断できるものをいう。
オ アからエまでに掲げる者のほか、行方不明者の同居者、雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者
「行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」とは、同居人、雇主その他の行方不明者の身上、安全等を配慮する立場にある者であって、行方不明者が確かに行方不明となっているかどうかを的確に判断できるものをいう。
(2) 留意事項
ア 行方不明者が行方不明となった時における住所又は居所を管轄する警察署長は、(1)のアからオまでの規定に該当する者からの行方不明者届がなされた場合には、これを受理すること。
なお、本邦内を旅行中の国外居住者について行方不明者届がなされた場合には、宿泊地を居所として取り扱うこと。
イ 行方不明者が行方不明となった場所又は行方不明者届をしようとする者の住所若しくは居所を管轄する警察署長は、行方不明者届をしようとする者の利便等を考慮し、水難等の事故遭遇のおそれ等のある者に係る行方不明者届をしようとする者が現に行方不明となった場所を管轄する警察署に訪れている場合、行方不明者届をしようとする者の住所又は居所が行方不明者が行方不明となった時における住所又は居所から遠隔地にある場合、行方不明者届をしようとする者が高齢により移動が困難である場合その他特段の事情がある場合には、行方不明者届を受理すること。
(3) 行方不明者届は、行方不明者届出書(規則別記様式)により受理するものとする。
2 行方不明者届の受理時の措置(第7条関係)
(1) 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、当該行方不明者届をした者(以下「届出人」という。)から次に掲げる事項について聴取するとともに、行方不明者を撮影した写真その他の行方不明者発見活動を適切に実施するために必要と認められる資料の提出を求めること。
また、警察署長は、届出人から発見活動を的確に行うに足りる情報等が得られなかった場合には、所属の警察職員に指示し、補充の調査を実施すること(第1項)。
ア 行方不明者の氏名、住所、年齢、性別、身体の特徴その他の行方不明者の特定に必要な事項
イ 行方不明者が行方不明となった日時、場所及びその状況
ウ 行方不明となった原因、動機その他の特異行方不明者に該当するかどうかの判定に必要な事項
エ 行方不明者の発見時の措置に関する届出人の意思
オ 届出人の連絡先
カ アからオまでに掲げるもののほか、行方不明者発見活動に必要な事項
(2) 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、届出人に対し、警察が行う発見活動について正確な知識を与え、届出人から発見活動に必要な情報の提供を受けられるようにすること等のため、警察が行う発見活動の内容、発見時の措置等について説明すること。
特に、規則第26条第1項ただし書に基づき発見等の通知をしないこと、又は通知する事項を限ることがあること及び同条第2項に基づきストーカー事案等であることが判明したときは本人の同意がある場合を除き通知しないことについて説明すること(第2項)。
(3) 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、行方不明者届受理票(別記様式第2号。以下「受理票」という。)を作成しなければならない(第3項)。
3 行方不明者に係る事項の報告(第8条関係)
警察署長は、行方不明者届を受理したとき、及び行方不明者に係る事項に変更があったときは、速やかに、生活安全部生活安全企画課長(以下「生活安全企画課長」という。)に受理票及び写真その他必要と認められる資料の写し(以下「受理票の写し等」という。)を送付すること。生活安全企画課長は、送付を受けた内容を警察本部長に報告するとともに、警察庁情報管理システムへ登録すること。
また、生活安全企画課長及び警察本部長は、発見活動を行う警察署長に対し、必要な指導助言等を行うこと。
4 事案の引継ぎ(第9条関係)
1の(2)のイの規定により行方不明者届を受理した警察署長は、自ら発見活動を行うことが適当でないと認めるときは、3の規定による警察本部長への報告を行った上で、当該事案を、生活安全企画課長を通じ当該行方不明者が行方不明となった時における住所又は居所を管轄する警察署長に対し、行方不明者届受理票などを添付の上、行方不明者届引継書(別記様式第3号)により引き継ぐこと。
また、引継ぎをした警察署長は、届出人に対し、発見活動を主体となって行う警察署長が変更になること及び引継ぎ先の窓口担当者を確実に通知すること。
さらに、引継ぎを受けた警察署長は、速やかに、警察庁情報管理システムへの登録を行い、その旨を引継ぎをした警察署長に連絡すること。
5 事後に取得した情報の記録及び活用(第10条関係)
行方不明者届を受理した警察署長(引継ぎがあった場合にあっては、引継ぎを受けた警察署長。以下「受理署長」という。)は、所属の警察職員に、行方不明者届を受理した後に取得した行方不明者に係る情報について、確実に記録化させるとともに、報告を徹底させること。
また、受理署長は、行方不明者に係る情報を取りまとめた簿冊を備え付けるなど行方不明者に係る情報が所属において共有されるよう必要な措置を採るとともに、第4の9の規定により特異行方不明者手配(以下「手配」という。)を行っている場合には、手配先の警察署長に対し取得した情報を提供するなど、発見活動に積極的に活用すること。
6 特異行方不明者の判定(第11条関係)
受理署長は、警察署の発見活動を主管する課又は係の責任者に、当該行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかについてその意見を報告させるとともに、2の(1)の規定による聴取の内容、5に規定する情報、発見活動を通じて得られた情報及び警察署の発見活動を主管する課又は係の責任者の報告の内容等諸般の事情を総合的に勘案し、当該行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかを自ら判定すること。
また、判定後に特異行方不明者の判定に資する情報が得られる場合があるなど行方不明者に係る状況は変化することから、受理署長は、随時、当該行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかを判定すること。
さらに、受理署長は、行方不明者が特異行方不明者に該当すると判定したとき及び特異行方不明者に該当すると判定した者がこれに該当しないと判定したときは、速やかに、その旨を警察本部長に報告すること。
第4 行方不明者の発見のための活動
1 警察活動を通じた行方不明者の発見活動(第12条関係)
警察職員は、警ら、巡回連絡、少年の補導、交通の取締り、捜査その他の警察活動に際して、行方不明者の発見に配意するものとする。
2 行方不明者照会(第13条関係)
生活安全企画課長又は警察署長は、行方不明者の発見のため必要があると認めるときは、警察本部長を通じて、行方不明者照会(警察庁生活安全企画課長に対して、規則第8条第3項の規定により保管する記録のうちから必要な記録を検索し、該当する記録に係る情報を提供するよう求めることをいう。)を行うこと。
3 行方不明者に係る資料の公表(第14条関係)
(1) 受理署長は、行方不明者の発見のために必要であり、かつ、届出人の意思その他の事情を考慮して適当と認めるときは、行方不明者の氏名、年齢その他の事項を記載した資料を作成し、警察署の掲示場への掲示、インターネットの利用その他の適切な方法により公表すること。
また、受理署長は、届出人その他関係者から行方不明者に係る資料の提出を受ける場合は、事前にその内容、数量等について指導すること。
さらに、公表の必要がなくなった場合には、速やかに、公表した資料の回収・削除等を行うこと。
(2) (1)により受理署長が資料を公表する期間は、当該資料に係る行方不明者が発見されたとき又はその死亡が確認されたときその他資料を公表する必要がなくなったと認めるときを除き、資料を公表した日からおおむね3月間とすることとし、受理署長は、必要があると認めるときは、その期間を延長することができる。
(3) 受理署長は、届出人その他関係者から(1)による資料に準じて作成された資料の提供を受けたときは、これを(1)の方法により公表することができる。
4 受理票の写し等の送付(第15条関係)
(1) 受理署長から受理票の写し等の送付を受けた生活安全企画課長は、行方不明者届を受理した日から1月を経過しても当該行方不明者届に係る行方不明者が発見されないときは、身元不明死体の情報との対照のため、刑事部鑑識課長(以下「鑑識課長」という。)に対し、受理票の写し等を送付すること。
(2) 受理票の写し等の送付については、遅滞なく行うこととし、生活安全部生活安全企画課(以下「生活安全企画課」という。)の行方不明者発見活動に係る業務を担当する課長補佐又は係長が、審査責任者としてその経過について審査を行い、受理票(乙)の送付者欄に押印すること。
(3) 受理票の写し等を送付するときは、行方不明者届受理票(写)・迷い人票・身元不明死体票送付書(別記様式第4号)を添付すること。
(4) 受理票の写し等を送付する際にあっては、生活安全企画課において保管する受理票綴り等の索引簿等に送付記録を記載する等その処理経過を明らかにすること。
5 身元不明死体票の作成及び送付(第16条関係)
警察署長は、死体取扱規則(昭和33年国家公安委員会規則第4号)第3条の規定により報告を受けた死体であって身元が明らかでないものについて、その死亡者に該当する可能性のある行方不明者届を受理しているかどうか確認し、これを受理していないときは、速やかに、身元不明死体票(別記様式第5号)を作成し、行方不明者届受理票(写)・迷い人票・身元不明死体票送付書を添付の上鑑識課長に送付すること。
送付に当たっては、その経過を明らかにするため身元不明死体票作成処理簿(別記様式第6号)に必要な事項を記入すること。
6 鑑識課長による対照等(第17条関係)
(1) 鑑識課長は、4の(1)及び8の(3)により受理票の写し等の送付を受けたときは、当該受理票の写し等と(3)により保管する身元不明死体票とを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写し等に係る行方不明者が当該身元不明死体票に係る死亡者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票を送付した警察署長及び生活安全企画課長に通知しなければならない。
(2) 鑑識課長は、5により身元不明死体票の送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票と(3)により保管する受理票の写し等とを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票に係る死亡者が当該受理票の写し等に係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票及び受理票の写し等を送付した警察署長及び生活安全企画課長に通知しなければならない。
(3) 鑑識課長は、(1)又は(2)による調査により、受理票の写し等に係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、送付を受けた受理票の写し等又は身元不明死体票を整理し、及び保管するとともに、速やかに、その写しを作成し、警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「警察庁犯罪鑑識官」という。)に送付しなければならない。
(4) 鑑識課長は、受理票の写し等及び身元不明死体票の整理並びに保管に当たっては、次の区分及び順序により行うこと。
ア 男女別
イ 行方不明又は死亡年(推定)
ウ 行方不明者の年齢又は死亡者の年齢(推定)
エ 行方不明又は死亡月日(推定)
7 警察庁犯罪鑑識官による対象等(第18条関係)
規則第18条第4項の規定による通知を受けた鑑識課長は、当該通知があった旨を受理署長に通知するものとする。
8 迷い人についての確認(第19条関係)
(1) 生活の本拠を離れ、その身元が明らかでない者(以下「迷い人」という。)を発見したときは、発見した警察職員が迷い人票(別記様式第7号)を作成し、発見した警察署の行方不明発見活動担当課において、当該迷い人の年齢、人着、土地鑑等に基づき行方不明者照会を実施するとともに、行方不明者届受理票(写)・迷い人票・身元不明死体票送付書を添付の上生活安全企画課長に送付し、当該迷い人について行方不明者届がなされていないかどうか確認すること。
(2) 他の警察署及び県外に対する照会は、生活安全企画課長を通じて行うこと。
(3) 生活安全企画課長は(2)により迷い人の照会依頼を受けたときは、行方不明者情報照会を行うとともに迷い人照会書(別記様式第8号)を作成し、依頼する他都道府県警察本部に対し照会を実施し、当該迷い人について行方不明者届がなされていないか確認すること。
(4) 迷い人についての確認後、警察署長は、当該迷い人を関係機関に引き継ぐこと。
9 特異行方不明者発見活動に係る受理署長の措置(第20条関係)
(1) 受理署長は、特異行方不明者の発見のため、その行方に関する情報の収集又は必要な探索若しくは捜査を行うとともに、届出人その他関係者と適時必要な連絡をとるものとすること。
(2) 受理署長は、特異行方不明者の発見のために必要があると認めるときは、関係行政機関若しくは地方公共団体又は関係事業者の協力を求めることとなることから、発見活動に協力を得ることができるよう、発見活動の内容等について周知するとともに、連絡のための窓口を設定するなど体制を構築すること。
(3) 受理署長が特異行方不明者と判定した受理票の写し等(第2の2の(2)のイに掲げる者を除く。)について、生活安全企画課長は身元不明死体との対象ができるよう、速やかに鑑識課長に送付すること。
10 特異行方不明者手配(第21条及び第22条関係)
(1) 受理署長は、次に掲げるときは、他の警察署長に対して、特異行方不明者の発見を求める手配(以下「特異行方不明者手配」という。)を行うことができる。
ア 特異行方不明者の立ち回り見込先が判明しているとき。
「立ち回り見込先」とは、友人宅等の行方不明者の立ち回りが予想される場所をいう。
イ 特異行方不明者の立ち回り見込地域が判明し、かつ、就業が予想される業種等が判明しているとき。
「立ち回り見込地域」とは、行方不明者の立ち回りが予想される地域であって、おおむね市区町村以下の範囲のものをいう。
「就業が予想される業種等」とは、行方不明者が就業していると予想される業種、宿泊先又は居住先等の当該地域において発見活動を行う上で参考となる事情が判明していることをいう。
(2) 留意事項
ア 手配については、当該特異行方不明者の要保護性、危険性、事案の重大性、特異行方不明者を発見する手掛かりの有無等を勘案し、手配を受けた警察署長が当該特異行方不明者を発見することが期待できる場合に行うこと。
イ 受理署長は、立ち回り見込先又は立ち回り見込地域を管轄する警察署長に対し、受理票の写し等などを添付の上、特異行方不明者手配書(別記様式第9号)により手配を行うこと。
この場合、あらかじめ生活安全企画課長を通じ警察本部長に報告した後、直接に、又は生活安全企画課長を通じてこれを行わなければならない。
ウ 特異行方不明者について、その発見に資する手掛かりがなく手配ができない場合においても、行方不明となった状況等から、当該特異行方不明者の生命又は身体に重大な危険が生じている可能性が高く、かつ、緊急性がある場合には、警察本部長を通じて他の都道府県警察に対し、当該特異行方不明者の発見活動への協力の要請を行うことができることに留意すること。
11 特異行方不明者手配を受けた警察署長の措置(第23条関係)
警察署長は、特異行方不明者手配を受けたときは、速やかに、次に掲げる特異行方不明者の発見のための活動を行い、その実施結果を受理署長に通知すること。
(1) 立ち回り見込先については、特異行方不明者の立ち回りの有無の調査及び立ち回り見込先の周辺の探索を行うとともに、立ち回り見込先の関係者に対して、特異行方不明者が立ち回った際における連絡の依頼その他の必要な協力を求めること。
(2) 立ち回り見込地域については、特異行方不明者の就業が予想される業種の営業所等に対する必要な調査を行うこと。
12 特異行方不明者手配の有効期間(第24条関係)
特異行方不明者手配の有効期間は、手配をした日から3月を経過する日までとし、受理署長は、継続の必要があると認めるときは、3月ごとにその期間を更新することができる。
なお、手配は、手配先の警察署長に対し10に規定する措置を義務付けるものであることから、受理署長は、手配の必要性等を適切に判断した上で、手配の有効期間を更新すること。
13 特異行方不明者等DNA型記録の作成等(第24条の2関係)
(1) 受理署長は、行方不明者届に係る特異行方不明者が死亡している蓋然性が認められる場合であって、次の全ての要件に該当する場合は、DNA型鑑定の必要性を検討するものとする。
ア 行方不明者届を受理した日から6月以上経過しても当該行方不明者届に係る特異行方不明者が発見されない場合又は迅速なDNA型鑑定を行う必要がある場合
イ 規則第18条による対象を実施しても、特異行方不明者の死亡が確認されない場合
ウ DNA型鑑定以外に当該行方不明者を発見する手段がない場合
(2) 受理署長は、前項の検討の結果、DNA型鑑定が当該特異行方不明者の発見のため有効であると認めたときは、当該特異行方不明者の届出人に対し、DNA型鑑定を行う意思の有無を確認するものとする。この場合において、届出人からDNA型鑑定の求めがあったときは、当該届出人からDNA型鑑定の求めがあったときは、当該届出人から申立書(別記様式第9号の2)を徴するものとする。
(3) 受理署長は、DNA型鑑定を嘱託しようとするときは、規則第24条の2第1項各号に掲げる資料(以下「特異行方不明者等資料」という。)のいずれかの提出を受け、刑事部科学捜査研究所長(以下「科学捜査研究所長」という。)に鑑定嘱託するものとする。この場合において、特異行方不明者等資料を提出する者から同意書(別記様式第9号の3)を徴するものとする。
(4) 科学捜査研究所長は、特異行方不明者等資料に係るDNA型鑑定を行い、特定DNA型が判明したときは、当該DNA型記録を作成し警察庁犯罪鑑識官に送信するとともに、その旨を生活安全企画課長に通知しなければならない。また、警察庁犯罪鑑識官から対照結果の通知を受けた場合は、確認後直ちに当該通知内容を受理署長及び生活安全企画課長に通知しなければならない。
(5) 受理署長は、鑑定資料に残余が生じた場合には、当該鑑定資料の残余を届出人等に返却するものとする。この場合において、受理署長は、その返却を受けた者から受領書(別記様式第9号の4)を徴するものとする。
第5 行方不明者の発見時の措置
1 行方不明者を発見した警察職員等の措置(第25条関係)
(1) 警察職員は、行方不明者を発見し、又はその死亡を確認したときは、速やかに、当該行方不明者を発見し、又はその死亡を確認した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
(2) 届出人に対する発見の通知の要否は受理署長により判断されることが適当であることから、行方不明者を発見し、又はその死亡を確認した場所を管轄する警察署長は、行方不明者に対し届出人への連絡を促すなどの措置をとり、自らは届出人その他関係者に連絡しないこと。
なお、保護を要する行方不明者を発見した場合は、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号)第3条、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条等に基づく保護又は警察法(昭和29年法律第162号)第2条に基づく保護を行うこと。
また、行方不明者を発見し、又はその死亡を確認した場所を管轄する警察署長は、行方不明者発見票(別記様式第10号)を作成するとともに、受理署長に対し、その写しを送付することにより、次に掲げる事項を通知すること。
ア 当該行方不明者を発見又はその死亡を確認した日時、場所及び状況
イ 当該行方不明者に対してとった措置
ウ 当該行方不明者から聴取した事項
(3) 警察署長は、(2)により受理署長に通知する場合においては、あらかじめ生活安全企画課長を通じ警察本部長に報告した後、直接に、又は生活安全企画課長を通じて行わなければならない。
2 届出人に対する通知(第26条関係)
(1) 受理署長は、行方不明者が発見されたとき又はその死亡が確認されたときは、速やかに、届出人に対して、発見又は死亡確認の日時、場所、状況その他の必要な事項を通知すること。ただし、当該行方不明者の意思、自救能力、年齢等を考慮して適当と認めるときは、通知をしないこと又は通知をする事項を限ることができることに留意すること。
(2) 受理署長は、行方不明者が発見されたときは、当該行方不明者に対し、届出人からストーカー行為等をされていないか、配偶者暴力を受けていないかなどの事項を確認し、次のいずれかに掲げる場合に該当すると認めるときは、当該行方不明者の同意がある場合を除き、届出人に対して、(1)に規定する通知をしないものとする。
ア 届出人から、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第1項に規定するつきまとい等又は同条第3項に規定するストーカー行為をされていた場合
イ 届出人から、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第1項に規定する配偶者からの暴力を受けていた場合
なお、当該行方不明者の同意を得て、届出人に対し連絡をする場合は、同意書を徴するなどの措置をとること。
3 警察本部長に対する報告等(第27条関係)
行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他行方不明者に係る記録の保管の必要がなくなったと認められるときは、警察庁情報管理システムに保存されている行方不明者に係る情報を抹消する必要があることから、受理署長は生活安全企画課長を通じてその旨を確実に報告すること。
また、当該行方不明者に係るDNA型記録を警察庁犯罪鑑識官に送信している場合は、警察庁犯罪鑑識官が保存する特異行方不明者等DNA型記録を抹消する必要があることから、受理署長は生活安全企画課長に当該行方不明者に係るDNA型鑑定を嘱託している旨を確実に報告すること。
4 鑑識課長に対する報告(第28条関係)
(1) 警察署長から前項の報告を受けた生活安全企画課長は、速やかに、行方不明者届受理票(写)・身元不明死体票削除通報(別記様式第11号)により鑑識課長に送付すること。
この時、当該行方不明者に係るDNA型鑑定を実施している場合は、その旨を確実に記載すること。
(2) 警察署長は、身元不明死体票に係る死亡者の身元が確認されたとき又は身元不明死体票の保管の必要がなくなったと認められるときは、速やかに、行方不明者届受理票(写)・身元不明死体票削除通報書により鑑識課長に報告すること。
5 特異行方不明者手配の解除(第29条関係)
(1) 手配は、手配先の警察署長に対し第4の10に規定する措置を義務付けるものであることから、受理署長は、手配に係る特異行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他手配の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、特異行方不明者手配解除通報書(別記様式第12号)により解除すること。
(2) 受理署長は、(1)により特異行方不明者手配を解除する場合においては、あらかじめ生活安全企画課長を通じ警察本部長に報告した後、直接に、又は生活安全企画課長を通じて解除すること。
第6 行方不明者届がなされていない場合等の特例(第30条関係)
発見活動は、生命又は身体の保護という警察の責務を達成するために行う活動であることから、警察署長は、行方不明者届の有無等にかかわらず、特に必要と認められる場合には、規則による措置をとることができることに留意すること。


別記様式省略
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