和歌山県警察女性・子どもを守る施策実施要綱の制定について(例規)

(制定:平成12年2月23日 生企・総・務・地・捜一第2号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
最近、女性・子どもが被害者となる殺人、強姦、強制わいせつ等の犯罪や子どもに対する声かけ事案(以下「性犯罪等」という。)が増加傾向にあるとともに、女性に対するつきまとい事案や夫から妻への暴力事案(以下「女性に対する暴力事案等」という。)及び児童虐待事案に関する相談件数が増加傾向にあり、中には、凶悪事件に発展するものも少なくないなど、女性・子どもが被害者となる犯罪等が社会的に大きな問題となっているところである。
このようなことから、これら女性・子どもが被害者となる犯罪等については、刑罰法令に抵触する事案を適切に検挙することはもとより、刑罰法令に抵触しない事案についても、国民の生命、身体及び財産の保護の観点から、警察として積極的な対策を講じる必要がある。
そのため、別記のとおり、和歌山県警察女性・子どもを守る施策実施要綱を定め、平成12年2月23日から施行することとしたので、この趣旨に沿って効果的な措置を講ずることとされたい。

別記

和歌山県警察女性・子どもを守る施策実施要綱

第1 性犯罪等を防止するための取組の強化
犯罪の予防は警察のみで達成できるものではなく、個人の自助努力、地域社会の取組及び自治体等と連携した犯罪の発生しにくい環境づくりが、それぞれ相まって初めて可能となるものであり、特に性犯罪等から女性・子どもを守るためには、これらの相乗効果が重要となる。
このような観点から、警察としては、パトロール等の警ら活動を強化するのみならず、ボランティア、自治体等と連携して、女性・子どもを守るための地域安全活動を強化することとする。
1 地域安全情報の提供及び防犯指導の徹底等
(1) 性犯罪等の地域安全情報の提供
地域住民をはじめ、自治体や地域安全推進員、少年補導員、「きしゅう君の家」等の地域安全ボランティア等に対し、地域における性犯罪等の発生場所、時間帯、犯罪手口等の地域安全情報を、新聞、テレビのほか、地域安全ニュース、ミニ広報紙、県警察ホームページ、その他あらゆる方法を活用して提供すること。
(2) 女性・子どもを対象とした防犯指導の徹底等
各種会合への参加及び防犯教室の開催等により、女性・子どもが性犯罪等の被害に遭わないよう防犯指導を徹底するほか、同犯罪等に遭った場合の対処方法として、護身術等の指導や「きしゅう君の家」の利用方法及び防犯ブザー、防犯ホイッスル等の防犯機器の活用方法等に係る講習会を地域、職域、学校を単位として開催すること。
2 自主的な地域安全活動への支援等
(1) 自主的なパトロール活動に対する支援
地域安全推進員、少年補導員等の地域安全ボランティアが行う自主的なパトロール活動に対し、性犯罪等に関する地域安全情報を積極的に提供するとともに、パトロール活動に対する適切な指導・助言を行うほか、警察官との合同によるパトロール活動の実施とこれら自主的活動についての広報を積極的に行うこと。
(2) 「きしゅう君の家」に対する支援
子どもの緊急避難場所である「きしゅう君の家」に対して、女性の緊急避難場所としての活用についても協力依頼するとともに、女性や子どもが緊急避難してきた場合における保護及び警察への通報要領等についての指導を徹底すること。
(3) 子ども発見ネットワークの構築等
学校、青少年センター等関係機関のほか、地域安全推進員、少年補導員、「きしゅう君の家」等の地域安全ボランティアと連携して、警察署ごとにファックスによる子ども発見ネットワークを構築するなど、子どもが行方不明になった場合における早期の発見保護体制の整備に努めること。
なお、その運用に当たっては、関係各課との連携を密にするとともに事件性を十分考慮すること。
3 安全・安心まちづくりの促進
自治体等関係機関、団体と連携して、道路や公園の見通しや夜間における照度等の実態を把握するとともに、防犯上の問題点と対策を検討し、女性・子どもが性犯罪等の被害に遭わないための道路、公園を整備するなど安全・安心まちづくりを促進すること。
第2 女性に対する暴力事案等、児童虐待事案及び被害少年の保護に対する取組の強化
女性に対する暴力事案等及び児童虐待事案は、重大な犯罪に発展するおそれがあるにもかかわらず「刑罰法令に抵触しない。」、あるいは「夫婦間又は親子間の事案である。」などの理由により、警察として消極的な対応をとりかねない場合が少なくない。
しかし、いずれの事案も殺人等の重大な犯罪に発展する危険性を有していることから、その重大な犯罪を未然に防止するための諸対策を講じるとともに、被害に遭った女性・子どもに対しては、その立直りを支援するための諸対策を講じることとする。
1 女性に対する暴力事案等に対する取組の強化
(1) 女性に対する暴力事案等に悩む女性の立場に立った対応の推進
刑罰法令に抵触する事案については、被害女性の意思を踏まえ、検挙その他の適切な措置を講ずるほか、刑罰法令に抵触しない事案についても、事案に応じて、防犯指導、防犯機器の紹介、自治体の関係部局、弁護士等他機関の紹介等適切な自衛・対抗策を教示するとともに、事案ごとに必要性を勘案のうえ、相談者宅への訪問、関係者からの事情聴取、つきまとい行為者及び暴力行為者に対する指導警告等の活動を行うなど相談者の立場に立った適切な対応に努めること。
なお、女性に対する暴力事案等に関する相談業務の指導は、警察本部生活安全企画課において行うこと。
(2) 相談受理体制の整備等
女性警察職員による被害相談体制の整備については、「和歌山県被害者対策要綱の制定について(例規)」(平成8年4月1日付け総、務、生企、捜一、交企、公第21号。以下「被害者対策要綱」という。)においても定められているところであるが、女性に対する暴力事案等に関する相談については、被害者対策要綱に規定する女性被害捜査官を相談窓口とし、被害者支援要員、被害者支援係及び被害者連絡担当係が連携して対応するほか、女性相談交番等の設置により被害女性からの相談に適切に対応できるように努めること。
(3) 被害女性の精神的被害の回復への支援
相談に係る女性に対する暴力事案等について、検挙又は指導警告を実施した後であっても、被害を受けた女性が不安を訴える場合には、被害者支援連絡協議会等被害者の支援を目的とする民間ボランティア団体等との連携により、継続的な精神的被害回復への支援を行うこと。
2 児童虐待事案に対する取組の強化
あらゆる警察活動を通じて被害児童の発見に努めるほか、被害児童を発見した場合は、早期に児童相談所へ通告するとともに、児童相談所、青少年センター等の関係機関と連携して被害児童の保護に努めること。
なお、関係各課の緊密な連携により、児童虐待事案に関する情報の集約に努め、生活安全担当課において一括管理すること。
更に、当該事案が刑罰法令に抵触する場合は、適切に検挙措置を講じること。
3 被害少年の保護に対する取組の強化
(1) 少年の福祉を害する犯罪の取締り
少年の福祉を害する犯罪に対しては、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、刑法(明治40年法律第45号)等あらゆる法令を適用した取締りを推進し、被害少年の保護に努めること。
(2) 被害少年に対する支援
被害少年に対する支援については、被害者対策要綱等に基づき推進しているところであるが、被害少年からの事情聴取に際しては、事件の態様、被害少年の身体的及び精神的被害の状況等を勘案して、女性被害捜査官等の適任者に担当させるほか、必要に応じ、少年の心理その他少年の特性に関する知識や少年の取扱いに関する技術を有する少年補導職員、少年フォローアップ担当者等による継続的支援を行うこと。
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