火薬類取締法令の運用について(例規)

(最終改正:平成27年5月27日 務第33号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
このたび、銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)の一部改正にともなう猟銃等に対する規制の強化にあわせて、猟銃、けん銃等に使用される実包その他の火薬類に関する取締りの実効を確保するため、その譲渡、譲受け、輸入および消費の許可の権限を知事から公安委員会に移管することとし、火薬類取締法(昭和25年法律第149号。以下「法」という。)、火薬類取締法施行令(昭和25年政令第323号。以下「令」という。)の一部改正および猟銃用火薬類等の譲渡、譲受け、輸入及び消費に関する内閣府令(昭和41年総理府令第46号。以下「譲受け等に関する府令」という。)ならびに火薬類取締法事務取扱規程(昭和42年和歌山県警察本部訓令第18号。以下「規程」という。)が制定され、それぞれ昭和42年1月1日から施行(適用)されることになった。このため火薬類に関する所掌事務はきわめて広範なものとなったが、これらの法令の運用に当っては、次の諸点に留意し遺憾のないようにされたい。
第1 一般的留意事項
生活安全企画課長及び警察署長(以下「署長等」という。)は、次に掲げる事項に留意すること。
1 火薬類事務担当者に対し、火薬類に関する法令の理解に努めさせ、その執行に当たっては、災害を防止し、公共の安全を確保し関係法令を遵守するよう指導を徹底すること。
2 立入権の運用については、法自体の中にも犯罪捜査のために乱用することのないように規定されているので、いやしくもかかるそしりを受けることのないように注意すること。
3 県又は市町村の火薬類事務担当課(以下「主務課」という。)、地方事務所その他の関係機関との連絡協調に努めること。
4 警察官自身の火薬類に対する技術的な知識は、立入りの場合に限らず、平素の取締りからも必要とするもので、火薬類事務担当者に対し、関係法令はもとより、火薬類の取扱いに対する知識を修得させるための教養を実施し、その徹底を期すること。
5 猟銃用火薬類等に関する許可その他の事務は、適正に処理するとともに、これらの貯蔵、所持、廃棄等についての指導取締りに努めること。
第2 立入検査について(法第43条第2項)
1 署長等は、立入検査を実施するに際し、その対象が火薬類の取扱場所のすべてを包含し、検査物件については帳簿類その他の物件に及ぶことから、特に相手方の立場を尊重し、事業者が行う定期自主検査等の機会に合わせて立入検査を行う等の配意に努めること。
2 立入検査は、和歌山県公安委員会(以下「公安委員会」という。)が主体となっているので、立入検査に関する一般的な基準については、火薬類取締法に基づく立入検査の実施規程(昭和42年和歌山県公安委員会規程第5号)に定めるところにより実施すること。
第3 火薬類の運搬について
1 運搬の届出等(法第19条)
署長等は、次に掲げる事項に留意して運搬の届出等を受理すること。
(1) 運搬の届出義務者は、原則荷送人とする。ただし、具体的な運搬の計画策定等の利便を考慮し、運送人が荷送人の代理人として届け出ることが適当と認められる場合は、この限りでない。(法第19条第1項)
(2) 火薬類の運搬に関する内閣府令(以下「運搬府令」という。)第2条第2項に規定する届出の期間は、特別の事情がある場合には、事務の支障のない限り、荷送人の利便を図り短縮しうる趣旨であること。(運搬府令第2条第2項)
(3) 運搬の届出は、具体的に運搬計画を定められるものについて受理し、令第3条の運搬に関する手数料は、届出1件につき徴収すること。(運搬府令第2条第1項)
(4) 運搬計画表は、運搬の基礎となるものであるから、特に受理に当たっては慎重に検討し、運行時間、積載数量等に無理のないように計画させるとともに、鉄道(船舶)による到着駅(港)以降の陸上運搬区間等の計画し難い部分については、当該部分の計画を定めた後、速やかに到着駅(港)を管轄する警察署長に届出るように指示し便宜の措置を認めること。(運搬府令第2条第1項)
(5) 運搬証明書には、運搬計画表を和歌山県公安委員会処務規程(昭和33年和歌山県公安委員会規程第6号)別表第2の4号に定める公安委員会印で割印のうえ添付するものとし、運搬証明書の有効期間(法第19条第4項によって準用する法第17条第6項)は、具体的に運搬に必要な期間とし、運搬計画表により判断しておおむね長期1カ月以内で記入すること。(法第19条第4項、法第17条第6項、運搬府令第3条)
(6) 法第19条第2項の規定により公安委員会が行う指示は、具体的な運搬に当たり、その運搬についての技術上の基準を定めることを意味するものであることに留意すること。
なお、鉄道、船舶及び航空機についての指示は行わないこと。ただし、鉄道又は船舶を利用して大量の火薬類を輸送する場合は、この限りでない。
(7) 運搬開始後における運搬証明書の記載事項の変更及び紛失等の取扱いは、法律的には運搬届を受理した公安委員会に届出なければならないが、便宜上運搬途中の警察署長に届け出ることにより、速やかに運搬を継続することができることから、その旨を関係業者に対して指導すること。
この場合届出を受けた警察署長は、速やかに規程第9条により、必要な措置を講じ、運搬を継続させること。
2 運搬の通知方法等
(1) 署長等は、運搬証明書を交付した場合、原則として1トン以上の数量のものを運搬する場合、他の都道府県公安委員に対して通知すること。
(2) 生活安全企画課長は、他の都道府県公安委員会から、1トン以上の数量の火薬類の運搬通知の連絡を受けた場合は、必要に応じ、通過地点等の関係警察署長に知らせる等の措置を講ずること。
(3) 署長等は、運搬証明書を交付し、又は運搬証明書を交付した旨の通知を受けた場合には、必要に応じ係員を派遣して事故発生の未然防止に努めること。
3 運搬証明書の交付等
(1) 運搬証明書は、原則運搬具1台につき1通を発行する。ただし、往復して運搬する場合又は自動車等を2台以上連ねて運搬する場合は、この限りでない。
(2) 規程第7条の規定による運搬証明書の書換えを行う場合で、余白がないため新たに書き換えて運搬証明書を交付する場合は「(換)」の字を用い「第(換)号」のように表示すること。
4 自動車、軽車両その他による運搬上の技術上の基準(法第20条第2項)
(1) 外装及び標示については、輸出又は輸入の際の取扱いについてこの基準により難い場合もあるので特に支障のない限り、関係者の利便を考慮すること。
なお、標示のうち、外装を含む重量の標示は、標準重量を記載すれば足り、販売業者が少量ずつ取り出すような場合は、その都度標示を書き換えることを要しないこと。(運搬府令第12条第2項)
(2) 見張人には、運転者の助手をもって充てることができること。(運搬府令第15条第1項第1号、第2号)
(3) 運搬中の火薬を一時保管する必要のある場合における取扱いについては、特に港における船積みの際が多いと考えられるので、このような場所を管轄する警察署にあっては、関係者と十分打合わせを行い事故発生の防止に努めること。(運搬府令第15条第1項第6号)
(4) 標識のうち、標示板及び標旗のの部分は「火薬」でもよいこととすること。
なお、火薬類を積載していない場合は、必ず標識を取り外すよう関係業者に指導すること。(運搬府令第16条)
(5) アジ化鉛、ニトログリセリン、ニトログリコール等の通常運搬に適さない、きわめて鋭敏な火薬類等については、運搬府令第15条第2項に規定する運搬方法に従い、その運搬に慎重を期するよう指示すること。(法第19条第2項、第20条第2項)
(6) 運搬府令第18条に規定する荷送人に対する留意事項は、運搬途上における事故防止上重要な事項であるから関係者に対し必ず実施させるよう指導すること。(運搬府令第18条)
(7) 自動車及び軽車両に対する警察官の停止権等は、通常運搬府令による標識を掲げる自動車又は軽車両に対して行うことが考えられるが、標識を掲げないものであっても、火薬類を積載している自動車及び軽車両については、これを行うことができる。
なお、停止させて検査を行う場合には、場所の選定等、事故防止について十分配意すること。(法第45条の2)
第4 譲渡、譲受け及び消費の許可についての事前の意見について(法第52条第1項)
1 県知事又は市町村長(以下「首長」という。)から、令第13条の規定に基づき意見を求められた場合は、規程第25条に基づき十分調査した上、速やかに処理すること。
なお、特に火薬の消費が交通頻繁な道路等において行われる場合、公共の安全の維持に重大な関係を有すると認められる場合については、あらかじめ首長と協定し、具体的な範囲を明確にして運用に当たること。
2 煙火等の消費については、その消費に伴い、必要な警備措置等を講じ、公共の安全確保について万全を期すること。
第5 猟銃用火薬類等の譲渡等の許可(法第50条の2)
1 公安委員会の許可にかかることとなった猟銃用火薬類等とは、次のいずれかに該当する火薬類の譲渡、譲受け、輸入及び消費(以下「譲渡等」という。)に限られ、これらの製造、廃棄等は含まれないことに留意すること。
(1) 猟銃及びけん銃等(銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)第3条の2に規定するけん銃、小銃、機関銃、及び砲をいう。以下同じ。)に使用される目的の実砲又は無煙火薬
(2) 猟銃、けん銃等及び古式銃砲に使用される目的の空包、銃用雷管又は黒色猟用火薬
2 警察署長は、申請、届出又はこれらの変更等を受理する場合は、譲受け等に関する府令第13条第1項各号の規定に従い、誤って受理することのないよう留意すること。
3 譲渡等の申請のあったときは、当該銃砲との適合性、数量及び目的の妥当性、消費又は保管の安全性等を確かめること。
4 譲受けの許可は、真に必要な数量とすること。ただし、保管その他の理由から一時に譲り受けることが不適当と認めるときは、分割譲受けの許可条件を付する等の措置を講ずること。
5 譲受け、輸入又は消費の許可申請の場合は、当該銃砲にかかる許可証又は登録証を提示(銃砲を使用しない理化学上の実験等の場合は、使用計画書を添付)させること。ただし、狩猟の目的によるものであるときは、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)に定める第一種銃猟狩猟者登録証又は許可証をあわせて提示させること。
なお、火薬類の製造事業者又は販売事業者の当該業務上の行為にかかるものは、対象外であることに留意すること。
6 譲渡又は譲受けの許可証の有効期間は、申請書記載の有効期間に基づき、当該譲渡又は譲受けに必要と認めた期間を指定すること。ただし、その期間は1年を超えないこと。
7 規程第13条の許可証の書換え及び規程第18条の記載事項変更届は当該書換申請又は変更届様式の変更事項欄に所定する事項に限って認め、これ以外については、新たな許可として処理すること。また書き換える許可証には「(換)」の字を第3の3の(2)の例により記載すること。
8 譲渡又は譲受許可証の返納を受けたときは、許可内容と譲渡(受)人欄とを照合する等により、正当に行使されたことを確かめ、当該許可証の副本(台帳)の欄外に返納年月日を記載し、編さんしておくこと。
9 輸入届を受理したときは、許可にかかるものであることを確かめ、当該許可書の副本(台帳)の余白に必要事項を記入しておくこと。
第6 措置要請について(法第52条第4項)
1 令第15条の規定による首長に対する要請は、公安委員会が行うことになっているので、措置を要請する必要があると認める事項を発見した場合は、規程第25条に基づき、その事実を速やかに本部長に報告すること。
2 措置の要請ができる事項は、令第15条の規定に定められているが、措置要請事項として規定されていない事項についても、事故防止上必要なものは相互の連絡により善処することが法の趣旨であるから1に準じて報告すること。また具体的な措置の要請に当たっては、技術的な検討と判断を十分加えること。
3 措置要請の結果講じられた措置については、法第52条第2項の規定により、それぞれ通報されるので、措置の結果を必ず確認すること。
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