警察相談取扱要領の制定について(例規)

(最終改正:平成28年3月11日 相第11号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
各種警察相談の取扱いについては、「和歌山県警察総合相談取扱要綱の制定について(例規)」(平成12年5月26日付け総、務、生企、捜一、交企、公第17号)に基づき、的確に対応してきたところであるが、警察に持ち込まれる相談の内容は一層多岐にわたり、その中には、警察の所掌事務を越えた相談も多数持ち込まれているところである。
こうした情勢の中、警察が本来対応すべき相談は、犯罪等による被害とその未然防止に関する相談その他県民の安全と平穏に係る相談等であることから、これまで「困りごと相談」と呼称していた相談業務を「警察安全相談」と呼称することとした。
また、限られた警察力を警察本来の業務として取り組むべき相談業務に投入し、県民の相談業務に寄せる期待に一層的確にこたえるため、警察相談取扱要領を別記のとおり定め、平成13年4月1日から実施することとしたので、適正な相談業務の推進に努められたい。
なお、「和歌山県警察総合相談取扱要綱の制定について(例規)」(平成12年5月26日付け総、務、生企、捜一、交企、公第17号)は、平成13年3月31日をもって廃止する。

別記

警察相談取扱要領

第1 趣旨
1 この要領は、警察本部及び警察署における警察安全相談、要望及び警察職員の職務執行に関する苦情(公安委員会に対する苦情を除く。以下同じ。)等各種警察相談(以下「警察相談」という。)の業務の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。
2 公安委員会に対する苦情の取扱いについては、「公安委員会に対する苦情の取扱要領の制定について(例規)」(平成13年5月29日付け総、務、相、生企、捜一、交企、公第60号)による。
第2 相談受理体制
1 警察本部
(1) 各所属に指定相談員を置き、各所属長が所属職員のうちから指名する者をもって充てる。
(2) 警務部警察相談課に警察安全相談員を置くものとし、本部長が任命した嘱託職員をもって充てる。
2 警察署
(1) 各課に指定相談員を置き、警察署長が各課ごとに指名する者をもって充てる。
(2) 警務課に警察安全相談員を置くことができるものとし、本部長が任命した嘱託職員をもって充てる。
第3 相談業務
1 警察相談は、警察本部にあっては警務部警察相談課警察相談係(以下「本部相談係」という。)が、警察署にあっては警務課警察相談係(以下「署相談係」という。)が受け付け、第一次的に処理するものとする。
2 当直中の相談業務は、警察本部においては警察本部における当直(以下「本部当直」という。)が、警察署にあっては当直が第一次的に処理するものとする。
3 本部相談係、署相談係又は当直は、その受理した相談の内容が専門的な知識、重要な判断を必要とするもの(以下「専門相談」という。)であるときは、警察本部においては当該専門相談に係る業務を所掌する所属(以下「専門相談担当所属」という。)に、警察署においては当該専門相談に係る業務を所掌する課(以下「専門相談担当課」という。)に、それぞれ相談の内容を通知し、その処理を委ねるものとする。
第4 任務
1 警察本部
(1) 指定相談員
指定相談員は、専門相談を処理するものとする。
(2) 警察安全相談員
警察安全相談員は、本部相談係において来庁及び電話等による警察相談を処理するものとする。
2 警察署
(1) 指定相談員
指定相談員は、専門相談を処理するものとする。
(2) 警察安全相談員
警察安全相談員は、署相談係において、来署及び電話等による警察相談を処理するものとする。
第5 取扱事項の範囲
1 取扱事項
警察相談で取り扱う事項は、次のとおりとする。
(1) 犯罪被害に関する事項
(2) 防犯問題に関する事項
(3) 少年問題に関する事項
(4) 刑事問題に関する事項
(5) 交通問題に関する事項
(6) 刑罰法令の質疑等に関する事項
(7) 警察官の職務執行に関する事項
(8) その他必要と認められる事項
2 取扱いの限界
前記1に掲げる取扱事項であっても、次に該当するときは、助言、指導等を行ってはならない。ただし、防犯上の見地から必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
(1) 裁判に係属中のもの及び提訴するに至ったもの
(2) 他の機関が正当に処理し、又は処理するに至ったもの
第6 警察相談の受理及び引継ぎ等
1 本部相談係の警察職員
(1) 本部相談係の係員及び警察安全相談員(以下「本部相談員」という。)は、警察相談を受理したときは警察相談受理簿(別記様式第1号)及び警察相談処理票(別記様式第2号・別記様式第2号の2・別記様式第2号の3)に必要な事項を記入し、その取扱状況を明らかにするものとする。
(2) 本部当直責任者等は、取り扱った警察相談について警察相談処理票に記入し、本部相談員に引き継ぐものとする。
(3) 専門相談の引継ぎは、警察相談課において専門相談担当所属に対し、次により行うほか、必要により専門相談担当所属に警察相談引継書(別記様式第4号)に警察相談処理票の写しを添付して行うものとする。ただし、相談の処理を必要とせず、専門相談所属において相談内容を把握することだけで足りる相談については、参考として送付するものとする。
また、専門相談担当所属から各警察署に引き継ぐ必要がある場合は、警察相談課を経由して同様の方法により行うものとする。
ア 相談者が来庁している場合は、原則として指定相談員が警察相談課で対応すること。
イ 電話による警察相談の場合は、指定相談員に電話を転送して行うこと。
ウ 文書による警察相談の場合は、警察相談引継書に警察相談処理票の写し及び当該文書を添付して行うこと。
(4) 前記(3)により引継ぎを受けた専門相談担当所属の長は、処理結果を警察相談処理結果票(別記様式第5号・別記様式第5号の2)により、速やかに警察相談課に送付すること。
(5) 受理した警察相談が、相談者の住居、事案の発生地等から、当該住居等を管轄する警察署でなければ事案の処理を適切に行えない場合は、相談者に、その旨を説明し理解を得た上で、前記(3)、(4)の要領により当該警察署に引き継ぐものとする。
2 署相談係の警察職員
(1) 署相談係の係員及び警察安全相談員(以下「署相談員」という。)は、警察相談を受理したときは警察相談受理簿(別記様式第1号の2)及び警察相談処理票(別記様式第3号・別記様式第3号の2・別記様式第3号の3)に必要な事項を記入し、その取扱状況を明らかにするものとする。
(2) 当直責任者は、取り扱った警察相談について警察相談処理票に記入し、署相談員に引き継ぐものとする。なお、生活安全部地域課通信指令室から処理指令があったものについても同様とする。
(3) 専門相談の引継ぎは、署相談係において専門相談担当課に対し、次により行うほか、必要により専門相談担当課に警察相談処理票の写しにより引き継ぐものとする。
ア 相談者が来庁している場合は、原則として専門相談担当課まで案内した上で、指定相談員に確実に引き継ぐこと。
イ 電話による警察相談の場合は、指定相談員に転送して行うこと。
ウ 文書による警察相談の場合は、警察相談処理票の写しに当該文書を添付して引き継ぐこと。
(4) 前記(3)により引継ぎを受けた専門相談担当課の長は、処理結果を警察相談処理結果票(別記様式第6号・別記様式第6号の2)により、速やかに署相談係を経由して警察署長に報告するものとする。
(5) 受理した警察相談が、相談者の住居、事案の発生地等から、当該住居等を管轄する警察署でなければ事案の処理が適切に行えない場合は、前記1の(5)の要領により引き継ぐものとする。
3 本部相談員及び署相談員以外の警察職員
(1) 警察本部の警察職員が警察相談を受理した場合は、所属長の指揮を受けて処理するとともに、警察相談処理票により警察相談課に通知するものとする。
(2) 警察署の警察職員が警察相談を受理した場合は、直属の課長の指揮を受けて処理するとともに、警察相談処理票により署相談係に通知するものとする。ただし、地域警察官及び交番相談員は、別に報告書等を作成した場合は、これを警察相談処理票に代えることができる。
第7 警察相談への対応方法
1 法律上の手段等の教示、助言等
警察相談に当たっては、相談者の立場に配意しつつ、公平性、中立性に留意して、執り得る法律上又は事実上の手段等を教示、助言し、あるいは指導、あっせんを行うこと。この場合において、当事者、関係者等の意思に反して無理強いすることのないようにすること。
また、必要に応じて被害者支援を目的とするボランティア団体等を紹介するなど、相談解決に向けてのボランティアの積極的な活用に配意すること。
2 防犯指導
犯罪に至らない「いやがらせ事案」や「相談者が不安を感じる事案」については、事案の内容に応じて、相手方への対応要領の教示、防犯機器の紹介、緊急時の警察への通報方法及びその他必要と認められる措置を執ること。
また、必要な場合には、相談者への自衛手段の教示等に止まることなく、自宅周辺のパトロール活動等相談者が警察に期待する活動を積極的に実施すること。
3 相手方に対する指導、警告又は説得
相談時点では刑罰法令に触れないが、将来、相談者等に危害が及ぶおそれがあると認められる場合には、相談者等の意向を含め諸事情を勘案し、相手方に対する警告、指導又は説得を行うこと。警告等は原則として、相談者等の要請がある場合に、警察法に規定される「犯罪の予防」という目的を達成するために必要な限度で行うこと。
また、相談者等に緊急の危害が及ぶおそれがあると認められる場合は、要請の有無にかかわらず、警察官職務執行法第5条及び第6条に基づき、犯罪の予防のために必要な警告、制止の措置を執ること。
4 関係機関等の教示、引継ぎ
(1) 相談内容が、第一次的に他の行政機関等において対応することが適切な場合には、その旨を相談者に説明し、理解を得た上で、当該行政機関等を教示し、又は確実に引き継ぐこと。
(2) 円滑な相談の引継ぎを行うため、関係機関、団体が行う相談窓口等の把握に努めるとともに、関係機関、団体の担当者等と緊密な連携を図ること。
5 プロジェクトチームの編成等
警察相談に係る事案が刑罰法令に抵触するもの又はその時点では犯罪ではないが将来相談者等に対して危害が及ぶ可能性のあるもの等、特異又は重要な警察相談であって、通常の体制では相談に係る事案に的確に対応することが困難である場合は、必要に応じてプロジェクトチームを設置するなど的確に対応すること。
第8 調査依頼
1 所属長は、警察相談の処理に関して必要がある場合は、他の所属長に対し調査を依頼することができるものとする。
2 前記1により調査の依頼を受けた所属長は、速やかに必要な調査を行って、回答しなければならない。
第9 取扱い上の留意事項
警察相談の取扱いに当たっては、次の事項に留意しなければならない。
(1) 応接は、常に相談者の立場に配意し、ささいな内容の相談であっても親切、丁寧に行うこと。
(2) 警察相談の処理は、相談者のプライバシーの保護に配意しつつ、誠意を持って行うこと。
(3) 相談者に対する指導、助言は、申し立ての内容のみで判断することなく、事実関係を確認した上、客観的な立場で行うこと。
(4) 警察相談の内容を他機関等に引き継ぐ場合は、相談者にその理由をよく説明し、いわゆる「タライ回し」の印象を抱かせないようにすること。
(5) 警察相談の処理に当たっては、必要に応じて担当者が出向くように配意し、相談者を招致する場合においても、無用の負担をかけないようにすること。
(6) 警察相談の処理状況については、必要に応じ相談者に知らせること。
(7) 関係機関の職務権限を侵害することのないよう注意し、警察が関与できる範囲を逸脱しないこと。
(8) 関係法令及び専門知識の習熟等適切な応対に必要な知識・技能の向上に常に努めること。
(9) 相談内容が刑罰法令に抵触すると認められる場合は、相談者の被害申告の意思を確認の上、速やかに捜査に移行すること。
(10) 民事問題と認められる警察相談であっても、そこに刑罰法令に抵触する内容が潜在していないか注意すること。
(11) 警察相談で知り得た事項については、秘密を厳守すること。
第10 少年問題及び公害に関する相談の措置
少年問題及び公害に関する相談については、本通達によるほか、和歌山県少年警察活動規程(平成20年和歌山県警察本部訓令第2号)及び「公害に関する苦情処理要領について(例規)」(昭和57年12月16日付け保第48号。以下「処理要領」という。)によること。
なお、処理要領に基づいて、処理票等を作成した場合は、これを警察相談処理票に代えることができる。
第11 警察あての苦情への対応方法
1 報告
所属長は、警察職員の職務執行に関する苦情を受理したときは、警察相談処理票の写しを警察相談課長を経由して、速やかに警察本部長に報告しなければならない。
2 処理要領
(1) 本部主管課の関与
警察本部で苦情を受理した場合、苦情の原因が警察署にある場合には、警察相談課から苦情の原因となった警察署及び本部主管課へ警察相談引継書(別記様式第4号)に、警察相談処理票の写しを添付して引き継ぐものとする。
なお、警察署が苦情を受理し、警察本部長に報告した苦情については、警察相談課から本部主管課へ当該苦情を引き継ぐものとする。
(2) 処理方針案の事前報告
受理した苦情は、苦情の原因となった警察署及び本部所属(以下「原因所属」という。)において事実関係を調査し、原因所属が警察署の場合は、本部主管課と協議の上、処理方針案を立て、申出者に通知する前に苦情処理方針票(別記様式第7号)により、警察相談課長を経由して警察本部長に報告するものとする。
原因所属が本部内所属の場合は、処理方針案を苦情処理方針票により警察相談課長を経由して警察本部長に報告の上、申出者に通知するものとする。ただし、原因所属において、苦情を受理した際、説明したことで申出者が納得した場合は、処理方針案の事前報告は要しない。
(3) 申出者に対する通知等
警察相談課、本部主管課又は原因所属は、(2)の処理方針に基づき申出者に通知するものとする。
(4) 処理結果の報告
通知した所属は、処理結果を警察相談処理結果票により警察相談課長を経由して警察本部長に報告するものとする。
第12 管理業務
1 警察相談管理業務
(1) 審査
ア 警察相談課
警察相談課は、警察本部及び警察署(以下「警察本部等」という。)が受理・処理し、相談等について入力した内容が別に定める入力基準と矛盾しないかを審査するものとする。
イ 警察署
警察署は、自所属が受理・処理した相談等に関し、入力した内容が別に定める入力基準と矛盾しないかを審査するものとする。
(2) 他所属への送付
警察本部等は、他所属から引継ぎを受け措置した相談については、措置後に措置結果を記載した警察相談処理結果票の写しを引継ぎ元の所属に送付するものとする。
(3) コード
警察相談管理業務に使用するコードは、「警察庁情報管理システムによる相談管理業務実施要領の制定について」(平成14年12月16日付け警察庁丁生企発第272号、丁情管発第529号)に基づくものとする。
2 苦情管理業務
(1) 入力
警察本部及び警察署で受理・処理した警察あての苦情は、警察相談課において警察庁と接続した端末装置に入力するものとする。
(2) 受理番号
警察あての苦情を受理した場合の警察相談処理票に付す受理番号は、警察相談課に備え付けた苦情受理簿(別記様式第8号)により警察相談課が記入するものとする。
(3) コード
苦情管理業務に使用するコードは、「警察庁情報管理システムによる苦情管理業務実施要領の制定について」(平成14年11月29日付け警察庁丁人発第660号、丁情管発第504号)に基づくものとする。
第13 即報
所属長は、特異又は重要な警察相談であって特に必要と認められるときは、警察相談課長又は当該専門相談に係る業務を所掌する警察本部の所属長を経由して警察本部長に即報しなければならない。

(別記様式省略)
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