指定被害者支援員制度並びに運用要領の制定について(例規)

(最終改正:平成21年3月26日 務第23号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
被害者対策については、「和歌山県警察被害者対策要綱の制定について」(平成8年4月1日付け総、務、生企、捜一、交企、公第21号)に基づき、各種施策を推進しているところであるが、事件発生直後における被害者及びその家族又は遺族(以下「被害者等」という。)は、身体的、経済的被害のみならず、事件のショックから精神的被害を受けている者も少なくない。
また、その後の捜査経過等に対する不安や戸惑いなど精神的に不安定な状態にある。こうした状態にある被害者等からの要望に的確に対応し、かつ、被害者の立場に立った被害者支援を効果的に行うため、新たに指定被害者支援員制度並びに運用要領を別記のとおり定め、平成15年4月10日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

別記

指定被害者支援員制度並びに運用要領

第1 目的等
1 目的
この要領は、事案発生直後の初期的段階における被害者等に対する支援の充実を図り、真に被害者等の立場に立った被害者支援を推進するため、指定被害者支援員制度並びに運用(以下「指定支援員制度」という。)要領に関し必要な事項を定めることを目的とする。
2 制定の趣旨
被害者等に対する支援活動で最も重要な事案発生直後における支援活動については、従前の被害者支援要員制度運用要領により推進してきたところであるが、最近、全国的に被害者多数に上る事案等が多発化傾向にあり、この種事案に対する支援体制の強化が求められているところである。
さらに、被害者等が捜査機関に対する要望内容は、時代の流れを反映して、多岐、多様にわたり、これに対応すべき被害者支援員(以下「支援員」という。)の活動内容もより複雑化、高度化が求められているところである。
これら要望及び時代の背景等を踏まえ、指定支援員制度の対象となる事案発生時はもとより、被害者多数に上る事案、事故及び社会的反響の大きな凶悪事件が発生した場合に的確に対応するため、支援員をあらかじめ指定し、かつ、被害者支援に必要な研修を行い、支援活動に反映させるなど、被害者等の要望に的確に適応した支援活動をより効果的に推進することとしたものである。
第2 責任者
1 統括責任者
(1) 指定支援員制度を組織的、効果的に推進するため、警察署及び交通部高速道路交通警察隊(以下「高速隊」という。)に、統括責任者を置く。
(2) 統括責任者は、副署長又は次長及び高速隊副隊長をもって充てる。
(3) 統括責任者は、警察署長又は高速隊長(以下「署長等」という。)の指揮を受け、本制度を効果的に推進するため、所属職員の業務の調整を図るものとする。
2 実施責任者
(1) 支援員の効果的運用を図るため、警察署及び高速隊に実施責任者を置く。
(2) 実施責任者は、警察署において対象事案を主管する課長及び当直責任者とし、高速隊においては、統括責任者が兼ねるものとする。
(3) 実施責任者は、統括責任者の指揮を受け、支援員の運用及び指揮を行うものとする。
第3 支援員の指定数等
1 支援員
支援員は、係長以下の警察職員のうちから、過去の職歴を検討して被害者支援活動に適合した職員を指定するものとする。
2 支援期間
支援員の支援期間は、おおむね1週間とする。ただし、支援の終了時期については、実施責任者が、被害者等の要望、事件捜査の推移、状況等を判断し、統括責任者の指揮を受けて決定するものとする。
3 指定の時期
警察職員の人事異動に伴う所属職員の変更があった場合又は指定後において支援員が疾病又は負傷等により支援業務に支障が生じた場合等において、その都度、支援員の指定を行うものとする。
4 支援員の指定数
(1) 指定割合
各所属職員数のおおむね1割に該当する職員数を基準として指定するものとする。ただし、所属職員数の1割が1人に満たない場合は1人を指定するものとする。
(2) 女性職員の特例指定
指定に際しては、女性の性犯罪被害者に対しては、原則として女性警察職員を担当させるのが合理的であることから、所属女性警察職員のおおむね2割を(1)の指定割合から指定した数の内数で指定するものとする。
5 署長等の承認
実施責任者は、支援員を指定したとき又は指定替えしたときは、原則として事前に署長等の承認を受けるものとする。
6 支援員の変更
警察署及び高速隊の実施責任者は、支援員が、支援活動を継続することができない理由が生じた場合又は支援対象事件の被害状況及び規模等から支援員の実働員に不足が生じた場合等において、署長等の承認を受けて、支援員を変更又は増員できるものとする。
なお、支援員の変更によって被害者等に不安を抱かせたり、誤解による紛議が生じることのないよう細心の注意を払うものとする。
7 支援員名簿の送付
支援員を指定したとき又は指定替えしたとき等、所属内支援員の構成に変更が生じた場合は、指定被害者支援員名簿(別記様式第1号)を警察本部長に報告するものとする。
第4 支援を必要とする被害者等
1 支援を必要とする被害者等は、「被害者連絡実施要領の制定について(例規)」(平成19年2月20日付け捜一、相 、生企、地指、交指、公、第17号。以下「連絡実施要領」という。)の第2に定める連絡対象事件及び署長等が必要と認める事件(以下「対象事件」という。)の被害者等とする。ただし、次に掲げる事件は、対象事件から除くものとする。
(1) 被害者等が支援活動を希望しない事件
(2) 被害者等が暴力団等反社会的組織の構成員に係る事件
(3) 加害者において正当防衛、正当行為に係る事件
2 過失事件の被害者等
対象事件のうち過失事件については、双方が過失を有し、いずれかに支援員を指定することが、以後の捜査に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は、両当事者に支援員を指定するか又はいずれに対しても指定しないことができる。
第5 支援員の任務等
1 任務
支援員は、被害者等の権利と自由の保護、捜査に対する被害者等の協力確保、捜査過程における被害者等の人権尊重を基本的使命とし、次に掲げる被害者支援活動(以下「支援活動」という。)を行うものとする。
(1) 事件発生時における被害者等との早期接触、自己紹介及び支援を行う旨の伝達
(2) 病院への付添い、医師との連携
(3) 実況見分、検証等への付添い
(4) 被害届、供述調書等の書類作成及び事情聴取における補助
(5) 証拠資料の押収、還付等における補助
(6) 「被害者の手引」の交付及び同手引に基づく必要事項(捜査の流れ等)の説明
(7) 被害者支援関係機関・団体の紹介と連絡及び調整
(8) 被害者等との連絡手段の確保と必要に応じて行う被害者連絡
(9) 捜査に対する要望等の聴取
(10) その他署長等が必要と認める支援活動
2 任務の記録
支援員は、任務の実施状況を指定被害者支援実施票(別記様式第2号)に、その都度、記録するものとする。
第6 支援活動の連携
支援員は、任務の解除に当たっては、被害者等に対して今後の捜査、公判等の予定、各種相談窓口等について説明するほか、被害者等の意向に基づいて関係機関・団体等に支援を要請するなどの措置を講じるとともに、連絡実施要領の第4に定める被害者連絡担当係と連携を密にし、継続的な支援活動に支障がないよう配意するものとする。
第7 警察本部被害者支援班の設置
1 警察本部被害者支援班
(1) 警察本部に被害者支援班(以下「本部被害者支援班」という。)を置く。
(2) 本部被害者支援班は、班長、副班長及び支援員をもって構成し、班長には警務部警察相談課犯罪被害者支援室長(以下「支援室長」という。)を、副班長には警務部警察相談課課長補佐をもって充てる。
(3) 本部被害者支援班の構成員は、警察本部内の各所属長が指定する当該所属の職員(以下「本部被害者支援員」という。)をもって充てる。
なお、本部被害者支援員については、第3の4「支援員の指定数」を準用するものとする。
2 本部被害者支援班の任務
(1) 被害者多数に上る事案が発生した場合における支援活動
(2) 社会的反響の大きな凶悪事案が発生した場合における支援活動
(3) その他警察本部長が必要と認める支援活動
3 本部被害者支援班の派遣要請等
(1) 署長等は、発生した事案の規模や特性から本部被害者支援班による支援活動が必要と認めるときは、本部被害者支援班派遣要請書(別記様式第3号)により警務部警察相談課長(以下「警察相談課長」という。)を経由して、警察本部長に派遣を要請するものとする。
(2) 警察相談課長は、要請に基づいて、警察本部各部の庶務を担当する課の課長と派遣について協議し、支援に必要な体制を確立するものとする。
(3) 警察相談課長は、本部被害者支援員のみでは派遣体制が確立できない場合、当該要請警察署以外の警察署に支援員の派遣を求めることができる。この場合において、警察相談課長はあらかじめ支援員を派遣する警察署長と協議を行うものとする。
4 派遣中の活動要領等
本部被害者支援班の派遣中の活動は、支援室長と当該警察署等の統括責任者が協議して定めるものとする。
第8 留意事項
1 二次的被害の防止と円滑な捜査活動の推進
支援員は、被害者等の立場や要望を理解し、捜査活動による精神的、時間的負担による二次的被害の防止に努めるとともに、円滑な捜査活動の推進に配慮すること。
2 支援員のメンタルヘルスヘの配慮
被害者等最も身近に接する支援員は、犯罪被害発生直後から集中的かつ継続的な対応が求められ、被害の現状を間近に見ることや、時には、被害者等の感情の起伏に直面することから、極めて強い精神的ストレスを受ける場合がある。
このため、統括責任者及び実施責任者は、支援員に対して、支援活動に付随するストレスに関する教養を行うとともに、支援員が精神的ストレスを抱えていないか言動等に常に注意を払い、必要な場合には助言、アドバイス等の措置を早期にとるなど支援員のメンタルヘルスに配慮すること。
第9 報告
1 署長等は、支援員を運用したときは、その都度、指定被害者支援員運用状況報告書(別記様式第4号)により警察本部長に報告すること。
2 署長等は、毎月の支援員の活動状況について、翌月の10日までに、指定被害者支援員活動状況表(別記様式第5号)により、警察本部長に報告すること。

(別記様式省略)
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