和歌山県少年警察活動規程

(最終改正:平成28年10月14日 和歌山県警察本部訓令第21号)
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条―第7条)
第2節 幹部の職務(第8条―第12条)
第3節 早期発見及び報告(第13条・第14条)
第2章 一般的活動
第1節 街頭補導(第15条・第16条)
第2節 少年相談(第17条・第18条)
第3節 継続補導(第19条―第21条)
第4節 少年の社会参加活動等(第22条・第23条)
第5節 情報発信(第24条―第26条)
第6節 有害環境の排除(第27条・第28条)
第3章 非行少年等についての活動
第1節 非行少年に関する通則(第29条―第38条)
第2節 犯罪少年事件の捜査(第39条―第47条)
第3節 触法調査(第48条―第64条)
第4節 ぐ犯調査(第65条―第75条)
第5節 不良行為少年の補導(第76条―第78条)
第4章 少年の保護のための活動
第1節 被害少年に係る活動(第79条―第81条)
第2節 福祉犯に係る活動(第82条・第83条)
第3節 要保護少年及び児童虐待に係る活動(第84条―第86条)
第5章 記録(第87条―第93条)
附則

第1章 総則

第1節 通則

(趣旨)
第1条 この規程は、少年の非行の防止及び保護を通じて少年の健全な育成を図るための警察活動(以下「少年警察活動」という。)に関し、その手続及び留意事項その他必要な事項を定めるものとする。
2 少年警察活動に関しては、警察法(昭和29年法律第162号)、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号)、少年法(昭和23年法律第168号)、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号。以下「規範」という。)、少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号。以下「活動規則」という。)、少年法第6条の2第3項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則(平成19年国家公安委員会規則第23号。以下「警察職員の職務等に関する規則」という。)、和歌山県青少年健全育成条例(昭和53年和歌山県条例第36号)その他の法令によるほか、この規程の定めるところによる。
(用語の定義)
第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 少年 少年法第2条第1項に規定する少年をいう。
(2) 犯罪少年 少年法第3条第1項第1号に規定する少年をいう。
(3) 触法少年 少年法第3条第1項第2号に規定する少年をいう。
(4) ぐ犯少年 少年法第3条第1項第3号に規定する少年をいう。
(5) 非行少年 犯罪少年、触法少年及びぐ犯少年をいう。
(6) 不良行為少年 非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為(以下「不良行為」という。)をしている少年をいう。
(7) 被害少年 犯罪その他少年の健全な育成を阻害する行為により被害を受けた少年 をいう。
(8) 要保護少年 児童虐待を受けた児童、保護者のない少年その他の児童福祉法による福祉のための措置又はこれに類する保護のための措置が必要と認められる少年(非行少年に該当する場合を除く。)をいう。
(9) 低年齢少年 14歳に満たない者をいう。
(10) 保護者 少年法第2条第2項に規定する者をいう。
(少年補導職員)
第3条 少年警察部門(生活安全部少年課(以下「少年課」という。)及び警察署少年係をいう。以下同じ。)に、少年相談(少年の非行の防止及び保護に関する相談をいう。以下同じ。)、継続補導(活動規則第8条第2項(同規則第12条第3項及び第13条第2項において準用する場合を含む。)の規定により行う継続的な補導をいう。以下同じ。)、被害少年に対する継続的な支援その他の特に専門的な知識及び技能を必要とする少年警察活動を行わせるため、少年補導職員を置くものとする。
2 少年補導職員は、前項に規定する少年警察活動に必要な知識及び技能を有する職員(警察官を除く。)のうちから、警察本部長(以下「本部長」という。)が命ずる。
(少年相談専門員)
第4条 少年警察部門に、複雑な少年相談事案の処理、少年相談を担当する職員に対する指導、助言その他少年相談に関する専門的知識を必要とする業務に従事させるため、少年相談専門員を置くものとする。
2 少年相談専門員は、少年補導職員であって心理学、教育学、社会学その他の少年相談に関する専門的知識を有するもののうちから、本部長が命ずる。
(少年サポートセンター)
第5条 和歌山県警察本部組織規則(昭和29年和歌山県公安委員会規則第3号)第19条の3に規定する少年サポートセンターには、前条に規定する少年警察活動に必要な知識及び技能を有する警察官並びに少年補導職員を配置し、少年相談、継続補導、被害少年に対する継続的な支援その他の専門的な知識及び技能を必要とし、又は継続的に実施することを要する少年警察活動を行わせるものとする。
(少年警察活動の基本)
第6条 少年警察活動を行うに際しては、次の各号に掲げる事項を基本とするものとする。
(1) 健全育成の精神
少年の健全な育成を期する精神をもって当たるとともに、その規範意識の向上及び立直りに資するよう配意すること。
(2) 少年の特性の理解
少年の心理、生理その他の特性に関する深い理解をもって当たること。
(3) 処遇の個別化
少年の性行及び環境を深く洞察し、非行の原因の究明や犯罪被害等の状況の把握に努め、その非行の防止及び保護をする上で最も適切な処遇の方法を講ずるようにすること。
(4) 秘密の保持
秘密の保持に留意して、少年その他の関係者が秘密の漏れることに不安を抱かないように配意すること。
(5) 国際的動向への配慮
少年の非行の防止及び保護に関する国際的動向に十分配慮すること。
(関係機関、ボランティア等との連携)
第7条 少年警察活動は、県、市町村、教育委員会、学校、家庭裁判所、検察庁、児童相談所、福祉事務所その他の少年の健全な育成に関係する業務を行う機関との連携と適切な役割分担の下に行うものとする。
2 少年警察活動は、警察少年補導員、少年指導委員、少年警察協助員、児童委員、保護司その他の少年の健全な育成のための活動を行うボランティア又は団体との連携と適切な役割分担の下に行うものとする。

第2節 幹部の職務

(本部長及び警察署長の職務)
第8条 本部長及び警察署長(以下「署長」という。)は、少年警察活動の重要性を認識し、その効果的な運営及び適正な実施を図るため、少年警察活動全般の指揮監督に当たるとともに、職員の合理的配置、装備資機材・施設の整備等部内の体制の確立を図るよう努めるものとする。
2 本部長及び署長は、少年警察部門とその他の警察部門との緊密な連絡を保たせるとともに、警察と関係機関、団体、ボランティア等との連絡協調の促進強化を図るものとする。
3 本部長及び署長は、少年警察活動がすべての警察部門にかかわる警察活動であることにかんがみ、すべての警察職員が少年警察活動の基本を理解するよう、適切かつ効果的な教養を実施するものとする。
(所属長の職務)
第9条 所属長は、所属職員の行う少年警察活動に関し、各級幹部を的確に指揮掌握するとともに、個々の事案について、和歌山県警察犯罪捜査指揮細則(昭和32年和歌山県警察本部訓令第31号。)及び和歌山県警察保護取扱規程(昭和33年和歌山県警察本部訓令第11号)によるほか、おおむね各号に掲げる事項を指揮するものとする。
(1) 捜査主任官又は活動規則に規定する調査主任官(以下「調査主任官」という。)を指名すること。
(2) 少年の被疑者、触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者若しくはぐ犯少年と認められる者又は重要な参考人の呼出し並びに面接(捜査・調査の対象となっている少年に対する取調べ及び質問を含む。以下同じ。)の要否及び方法を決定すること。
(3) 強制措置及びその解除の要否を決定すること。
(4) 関係機関への送致(送付を含む。以下同じ。)又は通告その他の措置を決定すること。
(5) 関係機関への送致又は通告に際して付すべき処遇意見を決定すること。
(6) 継続補導の要否を決定すること。
(7) 被害少年の継続的な支援の要否を決定すること。
(8) その他所属長が特に必要と認めること。
(警察署の各級幹部の職務)
第10条 警察署(警察本部の職員が少年警察活動を行う場合にあっては、当該職員の属する所属)の少年警察活動に責任のある各級幹部は、所属職員を指揮掌握するとともに、個々の事案について、おおむね次の各号に掲げる事項を指揮するものとする。ただし、本部長又は署長が直接指揮すべき事件、事案又は事項として本部長又は署長が定めたものを除く。
(1) 処遇の方針を指示し、及び処遇の担当者を指定すること。
(2) 強制措置及びその解除の時期、場所及び方法を指示すること。
(3) 第9条第2号に掲げる呼出し及び面接の要否、時期、場所及び方法を指示すること。
(少年事件指導官)
第11条 少年課に、少年事件指導官を置くものとする。
2 少年事件指導官は、少年事件の捜査又は調査、少年の心理、少年審判の手続等に精通した警部以上の警察官の中から、生活安全部少年課長(以下「少年課長」という。)が指定する。
3 少年課長は、少年事件指導官に、次の職務を行わせるものとする。
(1) 犯罪少年事件(犯罪少年に係る事件をいう。以下同じ。)のうち要指導事件(公判又は少年審判において立証上の問題が生じるおそれのある事件をいう。次号において同じ。)であるもの及び触法少年事件(触法少年に係る事件をいう。以下同じ。)のうち家庭裁判所の審判に付することが適当であると認められるものであって、少年警察部門に属する警察官が捜査又は調査を行うものについて、少年の特性に配意しつつ非行事実の厳密かつ周到な立証を徹底するため、当該事件の捜査主任官又は調査主任官等に対し、公判又は少年審判における立証、低年齢少年の特性を踏まえた調査要領その他の適正な捜査又は調査の遂行のために必要な指導及び助言を行うこと。
(2) 犯罪少年事件のうち要指導事件であるもの、本部長が指揮する事件又は触法少年事件のうち家庭裁判所の審判に付することが適当であると認められるものであって、少年警察部門以外の部門に属する警察官が捜査又は調査を行うものについて、当該事件主管課又は事件主管部内の指導官等と密接な連絡を取り、当該指導官等により前号と同様の指導及び助言が的確に行われるようにすること。
(3) 次条に定める少年事件選別主任者及び少年事件選別補助者に対して、少年の特性及び少年審判の特質を踏まえた捜査又は調査の指揮、措置の選別、処遇意見の決定等に関する必要な指導及び教養を行うこと。
(少年事件選別主任者)
第12条 少年課長は、少年事件担当警部を少年事件選別主任者に指定するものとする。
2 署長は、少年担当課長又は同課長代理を少年事件選別主任者に指定するものとする。
3 少年課長及び署長は、少年事件選別主任者を補助させるため、少年課及び少年係の幹部を少年事件選別補助者に指定するものとする。
4 所属長は、第9条第1号から第5号に掲げる事項について、自ら行う場合においては少年事件選別主任者の意見を聴くものとする。ただし、交通法令違反に係る犯罪少年事件又は触法少年事件及び交通事故に係る刑法(明治40年法律第45号)第208条の2又は第211条の罪に該当する犯罪少年事件又は触法少年事件については、当該少年の適正な処遇を図るため特に必要と認められるものを除き、この限りでない。

第3節 早期発見及び報告

(早期発見)
第13条 非行少年、不良行為少年、被害少年及び要保護少年については、その非行の防止又は保護のため、街頭補導(活動規則第7条第1項に規定する街頭補導をいう。以下同じ。)及び少年相談の適切な実施並びに警察の各部門間の連携及び学校、児童相談所その他の関係機関との連携を図り、これらを早期に発見するものとする。
(報告)
第14条 警察職員は、非行少年又は児童相談所への通告が必要と認められる要保護少年を発見した場合には、犯罪少年については捜査報告書に、触法少年及び送致又は通告を要するぐ犯少年並びに要保護少年については調査報告書(別記様式第1号)に、おおむね次に掲げる事項を記載し、所属長に報告するものとする。
(1) 少年の氏名、年齢及び住居
(2) 少年の職業及び勤務先又は在学する学校及び学年
(3) 保護者の氏名、住居、職業及び少年との続柄
(4) 事案を発見した経緯及び事案の概要
(5) 発見者のとった措置
(6) その他必要と認められる事項
2 警察職員は、不良行為少年で継続補導を、被害少年で継続的支援を行う必要があると認められる場合には、前項の調査報告書により報告するものとする。
3 警察本部の所属長(少年課長を除く。)が前項の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を少年課長に速やかに連絡するものとする。

第2章 一般的活動

第1節 街頭補導

(街頭補導の効果的実施)
第15条 街頭補導は、公園、駅、風俗営業の営業所、性風俗関連特殊営業の営業所、盛り場、深夜に営業する飲食店、カラオケボックス、コンビニエンスストアその他少年のたまり場となりやすい場所を重点とし、あらかじめ、日時、場所及び実施要領について計画を立て、警察職員が2人以上の組を編成して行う等効果的に実施するように努めるものとする。
2 街頭補導の実施に当たっては、必要に応じ、学校その他の関係機関、少年の健全な育成のための活動を行うボランティアその他の関係者と協力して行うように配意するものとする。この場合においては、少年の年齢、性別、態度等に応じて、事情の聴取、注意、助言、指導等について警察職員が行うか、ボランティア等が行うかを適切に判断し、街頭補導の効果が上がるようにするものとする。
(街頭補導実施上の留意事項)
第16条 街頭補導に当たっては、警察手帳その他を提示してその職を明らかにするものとする。
2 少年から事情を聴取し、又は注意、助言、指導等を行う場合においては、人目につかないように配意するものとする。
3 公共の場所以外の施設等で街頭補導を行うときは、当該施設等の管理者の同意を得るものとする。

第2節 少年相談

(少年相談の取扱い)
第17条 少年相談を受けたときは、懇切を旨として、当該事案の内容に応じ、指導又は助言、関係機関への引継ぎその他適切な処理を行うものとする。
2 少年相談は、原則として少年警察部門において取り扱うものとし、少年警察部門以外の警察職員が少年相談を受けた場合には、少年警察部門に引き継ぐものとする。ただし、当該事案を自ら処理することが適当であると認めた場合においては、所属長に報告し、少年警察部門に連絡した上、自ら当該事案を処理することができる。
3 前項の規定により少年相談に係る事案を引き継ぐ場合においては、相談者に引継先、連絡方法等必要な事項を説明するものとする。
4 少年相談を受理したときは、「警察相談取扱要領」(平成13年3月30日付け総、務、生企、捜一、交企、公第40号)に基づき警察相談処理票を作成し、少年相談の受理及び処理の状況を明らかにしておかなければならない。
(少年相談実施上の留意事項)
第18条 少年相談は、原則として、少年警察部門の職員が配置された施設内において行うものとする。ただし、必要な場合には、関係者が落ち着いて相談のできる適当な場所に出向いて行うことを考慮するものとする。
2 少年相談に関連して、少年警察部門の所掌に属しない事案について相談を受けたときは、当該事案を担当すべき他の警察部門又は関係機関に引き継ぐ等相談者の立場に立った適切な対応をするものとする。

第3節 継続補導

(継続補導の対象)
第19条 次の各号に掲げる少年について、その非行の防止を図るため特に必要と認められる場合には、保護者の同意を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する助言又は指導その他の補導を継続的に実施するものとする。
(1) 少年相談に係る少年
(2) 触法少年であって少年法第6条の6第1項の規定により送致すべき者又は児童福祉法第25条第1項の規定により通告すべき者に該当しないもの
(3) 14歳未満のぐ犯少年であって児童福祉法第25条第1項の規定により通告すべき者に該当しないもの
(4) 不良行為少年
(継続補導の取扱い)
第20条 署長は、警察署において取り扱った少年について、継続補導を実施する必要があると認めたときは、少年課長に連絡するものとする。
2 少年課長は、前項の連絡を受けたときは、少年サポートセンターに配置された少年補導職員又は警察官に継続補導を実施させるものとする。
3 前項の規定にかかわらず、少年課長が継続補導に係る少年の居住地と少年サポートセンターの所在地の距離その他の事情を勘案して、継続補導を当該警察署において実施させることが適切であると認めたときは、署長は、当該警察署の少年係において継続補導を実施させることができる。
4 少年課長は、少年サポートセンターにおいて取り扱った少年について、継続補導を実施する必要があると認めたときは、少年サポートセンターに配置された少年補導職員又は警察官に継続補導を実施させるものとする。ただし、当該少年の居住地を管轄する警察署その他の警察署において継続補導を実施させることが適切であると認めたときは、当該警察署の署長に継続補導の実施を引き継ぐことができる。
5 前2項の規定により、警察署の警察職員が継続補導を実施する場合には、少年サポートセンターと緊密な連携を保ち、専門的な事項について少年サポートセンターの指導を受けるものとする。
(学校関係者との協力)
第21条 継続補導の適切な実施のため必要があるときは、保護者の同意を得た上で、学校関係者その他の適当な者と協力して実施するものとする。この場合においては、少年のプライバシーに特に配慮するものとする。

第4節 少年の社会参加活動等

(関係機関等との協力等)
第22条 広く少年の参加を得て行うボランティア活動等の社会奉仕体験活動、柔道、剣道等のスポーツ活動その他の少年の規範意識の向上又は社会の一員としての意識の涵養に資するための体験活動(以下「少年の社会参加活動等」という。)については、必要に応じて、学校その他の関係機関、ボランティア、団体等と協力して行い、これらの者が実施する少年の健全な育成のための活動との適切な役割分担の下に行うものとする。
(実施上の留意事項)
第23条 少年の社会参加活動等の実施に当たっては、次の各号に掲げる警察業務の専門性を生かして、効果的に実施するものとする。
(1) 少年の心理その他の特性に関する知見
(2) 少年の非行を防止するための手法に関する知見
(3) 柔道、剣道等の指導に関する能力
(4) その他少年警察活動に関する知見及び警察職員の能力

第5節 情報発信

(情報発信)
第24条 少年警察活動については、少年の健全な育成に関する県民の理解を深めるため、少年の非行及び犯罪被害の実態並びに少年警察活動の状況に関する情報を積極的に発信するものとする。この場合においては、関係機関との協議会の開催、関係機関が開催する講習会等への協力その他適切な方法により、少年警察活動に関する専門的な知見が関係機関等における少年の健全な育成のための活動に反映されるよう配慮するものとする。
(基礎資料の整備活用)
第25条 少年警察活動については、情報発信の前提として、また、少年の非行の防止と保護を図るための施策に資するため、常に、少年警察活動に関する基礎的な資料を整備し、活用するように努めるものとする。
(少年の規範意識の啓発)
第26条 少年警察部門においては、少年、保護者その他の関係者を対象とする非行防止教室の開催、薬物乱用防止教室の開催その他適切な方法により、少年の規範意識の向上並びに少年の非行及び犯罪被害を防止するよう努めるものとする。この場合においては、必要に応じて、学校その他の関係機関、PTA、ボランティア等との協力の下に行うものとする。

第6節 有害環境の排除

(有害環境の排除)
第27条 本部長及び署長は、少年の心身に有害な影響を与えると認められる図書類、電磁的記録媒体、がん具、広告物、営業その他の環境(以下「有害環境」という。)があることを知った場合においては、法令の特別の定めによるもののほか、当該有害環境について関係のある他の機関に適切な措置をとるよう連絡する等少年に有害な影響の排除のため適切な措置をとるものとする。
(民間の自主的活動に対する配慮)
第28条 本部長及び署長は、広報啓発その他の地域における民間公益活動、酒類販売業者等の事業者による顧客の年齢確認その他の民間における有害環境の少年に対する影響を排除するための自主的な活動に関し、その求めに応じ、必要な配慮を加えるものとする。

第3章 非行少年等についての活動

第1節 非行少年に関する通則

(少年事件の捜査及び調査の担当部門)
第29条 本部長及び署長は、犯罪少年事件の捜査、触法少年事件の調査(以下「触法調査」という。)及びぐ犯少年に係る事件(以下「ぐ犯少年事件」という。)の調査(以下「ぐ犯調査」という。)については、少年の特性に配意しつつ、個々の少年の適正な処遇に努めなければならないことにかんがみ、原則として、少年警察部門に担当させるものとする。ただし、次の各号の一に該当する事件の捜査及調査については、この限りでない。
(1) 成人の被疑者を主とする事件に関連する犯罪少年事件
(2) 少年法第20条第2項の規定により、原則として家庭裁判所から検察官に送致されることとなる犯罪少年事件
(3) 少年法第22条の2第1項に掲げる罪に係る犯罪少年事件
(4) 事件の内容が複雑かつ重要であり、他の部門に捜査させることが適当であると認められる犯罪少年事件
(5) 交通法令違反(犯罪統計細則(昭和46年警察庁訓令第16号)第2条第2号に規定する罪をいう。以下同じ。)に係る犯罪少年事件又は触法少年事件
(6) 交通事故に係る刑法第208条の2又は第211条の罪に係る犯罪少年事件又は触法少年事件
(7) 前各号に掲げるもののほか、本部長又は署長が少年警察部門以外の部門に担当させることが適切であると認める事件
2 少年課長及び署長は、非行少年に係る事案の捜査又は調査を少年警察部門以外の部門に属する警察官に行わせる場合においても、少年の特性に配慮した捜査又は調査が行われるよう、少年事件選別主任者に対し、捜査又は調査の経過について常に把握させるとともに、必要があると認めるときは、少年の取調べを少年警察部門の警察官に行わせることについても配意するほか、捜査又は調査を行う警察官に対する指導教養、助言その他の必要な支援を行わせるものとする。
(捜査又は調査に伴う措置)
第30条 非行少年については、当該少年に係る事件の捜査又は調査のほか、その適切な処遇に資するため必要な範囲において、時機を失することなく、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとるものとする。
(年齢の確認)
第31条 非行少年に係る事件の捜査又は調査に当たっては、刑法、少年法及び児童福祉法の適用に過誤のないようにするため、特に現在及び行為時における当該少年の正確な年齢を確認するものとする。
(明らかにすべき事項)
第32条 非行少年に係る事件について捜査又は調査を行うに当たっては、おおむね次の各号に掲げる事項について、明らかにするものとする。
(1) 事件の存否及び態様
(2) 事件の動機及び原因
(3) 少年の性格、経歴、行状及び教育程度
(4) 少年の家庭、学校及び職場の状況並びに交友関係
(5) 少年の住居地の環境
(6) 少年の非行の防止及び立直りに協力することができると認められるボランティアの有無
(関係機関との連絡)
第33条 犯罪少年事件の捜査を行うに当たって必要があるときは、家庭裁判所、児童相談所、学校その他の関係機関との連絡を密にしなければならない。
2 触法調査及びぐ犯調査を行うに当たっては、特に家庭裁判所及び児童相談所との連携を密にしつつ、これを進めなければならない。
(捜査又は調査上の留意事項)
第34条 非行少年に係る事件について、捜査又は調査を行うに当たっては、次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 関係機関への送致又は通告の措置をとるべきかどうかを決定し、非行少年の処遇並びに当該少年の健全な育成及び立直りに資するために必要な限度にとどめ、みだりに関係者のプライバシーを侵害することのないようにすること。
(2) 少年の保護者その他少年について事情を知っていると認められる者の協力を求めること。
(3) 先入観にとらわれ、又は推測にわたることなく、正確な資料を収集すること。
(4) 少年の健全な育成及び被害者の心情に配意し、捜査又は調査は、迅速に行うこと。
(発表上の留意事項)
第35条 犯罪少年事件又は触法少年の事件に関し、新聞その他の報道機関に発表を行うときは、本部長若しくは署長又はこれらの指定する者が当たるものとする。
2 犯罪少年事件については、当該少年の氏名、住居のほか、学校名、会社名等その者を推知させるような事項を新聞その他の報道機関に発表しないものとする。また、当該少年の写真を提供してはならない。
3 触法少年事件については、その性質上、報道機関への発表は、特に慎重に判断するものとする。発表する場合においては、前項の規定を準用する。
(措置の選別及び処遇意見)
第36条 非行少年については、関係機関への送致又は通告の措置をとるべきか、犯罪少年事件の送致を通常の送致又は簡易送致(規範第214条の規定による送致をいう。以下同じ。)のいずれかによるべきか、送致又は通告の措置をとる場合においてはいずれの機関に行うべきかを的確に選別するものとする。
2 非行少年に係る事件について関係機関への送致(簡易送致を除く。)又は通告の措置をとる場合においては、最も適切と認められる処遇上の意見を付すものとする。
3 前2項の規定による措置の選別及び処遇上の意見の決定に当たっては、おおむね次の各号に掲げる事項を勘案して行うものとする。この場合において、第3号に掲げる事項については、捜査又は調査の結果から客観的に判断するものとする。
(1) 事案の態様
(2) 非行の動機及び原因
(3) 当該少年の再非行のおそれ
(4) 当該少年の保護者の実情、非行の防止及び立直りに向けての保護者の方針及び意向並びに関係機関、団体、ボランティアの意見等
4 犯罪少年事件における通常の送致と簡易送致の選別に当たっては、罪種や被害の程度等の形式的な要件のみで判断することなく、犯罪の原因及び動機、当該少年の性格、行状、家庭の状況及び環境等から再犯のおそれ等を総合的に判断するものとする。
(送致又は通告に関しての留意事項)
第37条 非行少年に係る事件を関係機関に送致し、又は通告するに当たっては、必要に応じ、当該少年及びその保護者又はこれに代わるべき者(以下「保護者等」という。)に対して、送致又は通告の趣旨について説明するとともに、今後特に留意すべき事項について助言するものとする。この場合において、在宅のまま送致し、又は通告する少年について、将来における非行のおそれが大きいと認められるときは、送致先又は通告先の機関において、速やかに少年法又は児童福祉法の規定による措置がとられるように連絡するものとする。
第38条 削除

第2節 犯罪少年事件の捜査

(犯罪少年事件の捜査の基本)
第39条 犯罪少年事件の捜査については、家庭裁判所の審判その他の処理に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって当たらなければならない。
2 捜査に当たっては、犯罪少年の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、取調べの言動に注意する等温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないように努めなければならない。
(呼出し上の留意事項)
第40条 捜査のため、少年の被疑者(以下この条(第4項を除く。)、次条(第3項を除く。)、第42条において「少年」という。)、保護者又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、規範第102条の規定による呼出状(規範別記様式第7号)の送付その他適当な方法により、出頭すべき日時、場所、要件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。
2 捜査のために少年を呼び出す場合においては、原則として保護者等に連絡するものとする。ただし、連絡することにより、保護者と当該少年との信頼関係を損なうおそれがあるとき、当該少年が虐待を受けるおそれがあるとき、逃亡又は証拠隠滅のおそれがあるときその他連絡することが当該少年の福祉上不適当であると認められるときは、この限りでない。
3 捜査のために少年を呼び出す場合においては、次の各号に掲げる事項に留意し、当該少年が無用な不安を抱かないよう配意するものとする。
(1) 学校又は職場に直接呼出しの連絡をすることは、できる限り避けること。
(2) 少年の授業中又は就業中に呼び出すことは、できる限り避けること。
(3) 制服を着用した警察官が呼出しに行くことは、できる限り避けること。
(4) 警察施設に呼び出すことが不適切であると認められる場合には、警察職員が家庭へ出向くことや、警察施設以外の適当な場所に呼び出すことにも配意すること。
(5) 呼出しは、保護者の納得を得て行うように努めるとともに、必要に応じて保護者の同道を依頼するなど、協力と信頼を得られるよう努めること。
4 捜査のために被害者その他の参考人として少年を呼び出す場合においては、前3項に掲げる事項に配意するほか、警察から呼び出されたことによる心理的な負担を軽減するよう努める等少年の心情に配意するものとする。
5 捜査のために少年の保護者を呼び出す場合においては、当該保護者が当該少年の非行に関して警察から呼び出されたことが周囲の者に分からないよう配意するものとする。
(取調べ上の留意事項)
第41条 少年の取調べを行う場合においては、原則として保護者等に連絡するものとする。ただし、連絡することにより、保護者と当該少年との信頼関係を損なうおそれがあるとき、当該少年が保護者から虐待を受けるおそれがあるとき、逃亡又は証拠隠滅のおそれがあるときその他連絡することが当該少年の福祉上不適当であると認められるときは、この限りでない。
2 少年の取調べを行う場合においては、次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 取調べの場所は、事務室等人の出入りが多く、他人の耳目に触れるおそれがある場所を避け、少年が落ち着いて話せるよう少年補導室等の適当な場所とすること。
(2) 取調べの時刻は、できる限り、少年の授業中若しくは就業中又は夜間遅い時刻を避けるとともに、取調べの時間が長くなりすぎないようにすること。
(3) やむを得ない場合を除き、少年と同道した保護者その他適切な者を立会わせること。
(4) 取調べに当たっては、少年の年齢、性別、性格、知能、職業等に応じてふさわしく、かつ、分かりやすい言葉を用いること。
(5) 取調べに当たっては、少年の話のよい聞き手となり、虚言、反抗等に対しても、一方的にこれを押さえつけようとせず、その原因を理解することに努め、当該少年の内省を促し、その立直りに資するように努めること。
(6) 取調べを終えるに当たっては、少年及び保護者等の懸念の有無を確かめ、必要があるときは、助言その他の措置を講じて、当該少年及び保護者等の不安を除去し、信頼を得られるように努めること。
3 被害者その他の参考人として少年と面接するときは、その時間、場所、方法、保護者等の立会い等に配意し、面接に伴う心理的な負担の軽減に努める等少年の心情に配意するものとする。
(強制措置等の制限)
第42条 少年については、できる限り、逮捕、留置その他の強制の措置を避けるものとする。
2 逮捕、留置その他の強制の措置を決定し、又はこれらの強制の措置を執行する場合においては、おおむね次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 少年の年齢、性格、非行歴、犯罪の態様、留置の時刻等から当該少年に及ぼす精神的影響を勘案して判断すること。
(2) 留置する場合には、少年法第49条第1項の規定に基づき、成人と分離し、かつ、原則として各別に収容すること。
(3) 留置したときは、原則として、速やかにその保護者等に連絡すること。
(4) 強制の措置を執行する時期、場所、方法等について慎重に配意し、当該少年の心情を傷つけることのないようにすること。
(犯罪少年の指紋の採取等)
第43条 犯罪少年の指紋又は掌紋の採取及び写真の撮影は、身体の拘束を受けていない犯罪少年について、犯罪捜査のため必要やむを得ない場合において、本人の承諾を得たときに限り行うものとし、あわせて当該少年の心情を傷つけることのないよう、その時期、場所、方法等について慎重に配意するものとする。
(親告罪等に関する措置)
第44条 親告罪である少年の犯罪について告訴がなされないことが明らかになった場合であっても、将来における非行の防止上必要があると認めるときは、犯罪少年に係る事件として関係機関に送致することを考慮して所要の措置をとるものとする。
2 前項の場合においては、みだりに被害者等を呼び出す等被害者等の心情に反する措置をとることを避けるものとする。当該少年に係る事件を送致する場合には、被害者等が送致先の機関によってみだりに呼び出されることのないよう当該機関に連絡することに留意するものとする。
3 少年が、親族であるため刑の免除される罪又は請求を待って論ずる罪を犯した場合についても、前2項の規定の例によるものとする。
(少年に所持させることが不適当な物件の措置)
第45条 犯罪少年事件の捜査に当たって、非行の防止上所持させておくことが適当でないと認められる物件を当該少年が所持していることを発見したときは、法令の規定により押収する場合を除き、所有者その他の権利者に返還させ、保護者等に預けさせ、又は当該少年に廃棄させる等当該少年が当該物件を所持しないように注意、助言等をするものとする。この場合においては、物件処理票(別記様式第3号。以下「物件処理票」という。)により受領書を徴する等物件の措置のてん末を明らかにする措置を講ずるものとする。
(余罪の捜査)
第46条 犯罪少年に関する余罪の捜査に当たっては、当該少年の内省を促し、その立直りを図るとともに、将来における非行のおそれの判断に資するように配意するものとする。
また、余罪の捜査は、迅速的確に行わなければならない。
(犯罪少年の事案に関する書類の作成)
第47条 捜査の結果、犯罪少年であることが判明した場合においては、当該犯罪少年の犯行の動機及び原因、犯行前後の状況等犯罪事実の存否及び犯罪の情状を立証するため必要な事項については、犯罪捜査規範第177条から第182条までの定めるところにより、当該犯罪少年又は参考人の供述調書その他の捜査書類を作成し、その他の事項については、規範第213条の規定による身上調査表(規範別記様式第21号)に記載するものとする。ただし、送致先の機関における処遇に資し、又は補導の適正を期するため特に必要があると認められる場合においては、犯罪事実の存否及び犯罪の情状を立証するため必要な事項以外の事項についても、当該犯罪少年若しくは参考人の供述調書その他必要な書類を作成し、又は徴するものとする。

第3節 触法調査

(触法調査の基本)
第48条 触法調査については、少年法及び児童福祉法に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、これに当たらなければならない。
2 触法調査を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、触法少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、当該少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
(触法調査を行うことができる警察職員)
第49条 本部長は、少年補導職員のうちから、次に掲げる事項に関する教育訓練を受け、専門的知識を有する者と認められる者を少年法第6条の2第3項に規定する警察職員(次項において「警察職員」という。)として指定することができる。
(1) 可塑性に富むことその他の低年齢少年一般の特性
(2) 発達障害その他の特別な事情を持つ少年の特性
(3) 低年齢少年の特性を踏まえた質問その他の調査依頼
2 前項に規定する警察職員は、調査主任官その他の上司である警察官の命を受け、事件の原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等を明らかにするために必要な調査を行うことができる。
(調査主任官)
第50条 所属長は、個々の触法調査につき、調査主任官を指名し、次に掲げる職務を行わせるものとする。
(1) 調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担を定めること。
(2) 押収物及びその換価代金の出納を承認し、これらの保管の状況を常に把握すること。
(3) 調査方針を立てること。
(4) 調査に従事する者に対し、調査の状況に関し報告を求めること。
(5) 調査の適正な遂行及び当該調査に係る少年の自殺その他の事故の防止について調査に十時する者に対する指導教養を行うこと。
(6) 家庭裁判所、児童相談所、学校その他の関係機関との連絡調整を行うこと。
(7) 前各号に掲げるもののほか、本部長又は署長から特に命ぜられた事項
2 所属長は、前項の規定により調査主任官を指名する場合には、当該事件の内容並びに所属の職員の調査能力、知識経験及び職務遂行の状況を勘案し、同項に規定する職務を的確に行うことができると認められる者を指名しなければならない。
3 調査主任官が交代する場合には、関係書類、証拠物等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
4 調査主任官の指名に当たっては、調査主任官指名簿(別記様式第4号)に所定事項を記載し、指名者において押印した後、指名を受けた者が閲覧できる状態におくものとする。
(付添人の選任等)
第51条 触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者(以下次条(第4項を除く。)、第53条(第4項を除く。)、第55条、第61条及び第62条において「少年」という。)又は保護者に対しては、少年法第6条の3に規定する付添人に関する制度について分かりやすく説明するほか、必要に応じて関係機関・団体についての紹介、助言等を行うことに配慮するものとする。
2 少年法第6条の3に規定する付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届(様式任意。以下「選任届」という。)を差し出させるものとする。この場合において、選任届を受理した者は、当該事件の調査に従事している警察官に対し、当該選任届を確実に引き継がなければならない。
(呼出し上の留意事項)
第52条 触法調査のため、少年、保護者又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、触法調査又はぐ犯調査に関する書類の様式を定める訓令(平成19年警察庁訓令第12号。以下「長官訓令」という。)に定める呼出状(長官訓令別記様式第39号。以下「呼出状」という。)の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければばらない。
2 少年を呼び出す場合においては、原則として保護者等に連絡するものとする。ただし、連絡することにより、当該少年が保護者から虐待を受けるおそれが著しいとき、逃亡又は証拠隠滅のおそれが著しいときその他連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
3 少年を呼び出す場合においては、次の各号に掲げる事項に留意し、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するものとする。
(1) 夜間に呼び出すことは、やむを得ない場合を除き避けること。
(2) 制服を着用した警察官が呼出しにいくことは、やむを得ない場合を除き避けること。
(3) 学校に直接呼出しの連絡をすることは、できる限り避けること。
(4) 少年の授業中に呼び出すことは、できる限り避けること。
(5) 警察施設に呼び出すことが不適切であると認められる場合には、調査に従事する職員が家庭へ出向くことや、警察施設以外の適当な場所に呼び出すことにも配意すること。
(6) 呼出しは、保護者の納得を得て行うように努めるとともに、必要に応じて保護者の同道を依頼するなど、協力と信頼を得られるよう努めること。
4 触法調査のために被害者その他の参考人として少年を呼び出す場合においては、前3項に掲げる事項に配意するほか、警察から呼び出されたことによる心理的な負担を軽減するよう努める等少年の心情に配意するものとする。
5 触法調査のために少年の保護者を呼び出す場合においては、当該保護者が当該少年の非行に関して警察から呼び出されたことが周囲の者に分からないよう配意するものとする。
(質問上の留意事項)
第53条 少年の質問を行う場合においては、原則として保護者等に連絡するものとする。ただし、連絡することにより、当該少年が保護者から虐待を受けるおそれが著しいとき、逃亡又は証拠隠滅のおそれが著しいときその他連絡することが当該少年の福祉上不適当であると認められるときは、この限りでない。
2 少年に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、当該少年の保護者その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
3 少年の質問を行う場合においては、次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 質問に当たっては、やむを得ない場合を除き、夜間に質問すること及び長時間にわたり質問することを避けなければならないこと。
(2) 質問の場所は、事務室等人の出入りが多く、他人の耳目に触れるおそれがある場所を避け、少年が落ち着いて話せるよう、少年補導室等の適当な場所とすること。
(3) 質問に当たっては、少年の年齢、性別、性格、知能等に応じてふさわしく、かつ、分かりやすい言葉を用いること。
(4) 質問に当たっては、少年の話のよい聞き手となり、虚言、反抗等に対しても、一方的にこれを押さえつけようとせず、その原因を理解することに努め、当該少年の内省を促し、その立直りに資するように努めること。
(5) 質問に当たっては、少年に対し、自己の意思に反して供述する必要がない旨を当該少年の年齢等に応じて分かりやすく告げること。
(6) 質問を終えるに当たっては、少年及び保護者等の懸念の有無を確かめ、必要があるときは、助言その他の措置を講じて、当該少年及び保護者等の不安を除去し、信頼を得られるように努めること。
4 被害者その他の参考人として少年と面接するときは、その時間、場所、方法、保護者等の立会い等に配意し、面接に伴う心理的な負担を軽減するよう努める等少年の心情に配意するものとする。
(犯罪の疑いがある場合の措置)
第54条 犯罪の疑いがある事案については、触法少年事件である可能性が高い場合であっても、犯罪としての捜査を尽くすものとする。特に、殺人、強盗等の重要な事件については、明らかに低年齢少年による行為と認められる場合であっても、共犯関係にある者が存在する可能性があることに留意するものとする。
(強制の措置等)
第55条 触法調査に係る捜索、差押、検証若しくは身体検査の令状又は鑑定処分許可状の請求については、活動規則第21条の規定によるものとする。
2 触法調査においては、できる限り、強制の措置を避けるものとする。強制の措置を決定する場合には、少年の年齢、性格、非行歴、事件の内容等から当該少年に及ぼす精神的影響を勘案して判断するとともに、執行の時期、場所、方法等について慎重に配意し、少年の心情を傷つけることのないよう配意するものとする。
(還付公告等)
第56条 少年法第6条の5第2項の規定により準用する刑事訴訟法第499条に規定する押収物の還付に関する公告は、警察職員の職務等に関する規則第2条の定めるところにより押収物還付公告(別記様式第5号)により行うものとする。
2 公告をしたときから6か月以内に還付の請求がないときは、その物は、県に帰属する。この場合において、当該押収物を県帰属押収物引継書(別記様式第6号)により、和歌山県財務規則(昭和63年和歌山県規則第28号)第2条に定めるかい長(以下「かい長」という。)に引き継がなければならない。
3 県に帰属した押収物は、次に掲げるところにより、かい長に引き継ぐものとする。
(1) 4月1日から6月30日までの分については、7月15日まで
(2) 7月1日から9月30日までの分については、10月15日まで
(3) 10月1日から12月31日までの分については、翌年1月15日まで
(4) 1月1日から3月31日までの分については、4月15日まで
4 署長は、第2項の期間内においても、価値のない物は、これを廃棄し、保管に不便な物は、これを売却してその代価を保管することができる。この場合においては、規範第113条第1項に定める事項に注意するとともに、売却の手続等は、次に掲げるとおりとする。
(1) 売却は原則として一般競争入札とし、警察署の掲示場に公告(別記様式第7号)を掲示するものとする。
(2) 入札日は前項の掲示を始めた日の翌日から起算して5日以上経過した日を定める。
(3) 入札は入札書(別記様式第8号)により行うものとする。
(4) 署長は、落札者から物品購入の意思の決定として、買受・受領書(別記様式第9号)を徴し、公告物の落札金として保管すること。
(5) 押収物を売却又は換価処分した場合には、長官訓令に定める換価処分書(長官訓令別記様式第43号)を作成しておかなければならない。
(6) 押収物を廃棄する場合は、長官訓令に定める廃棄処分書(長官訓令別記様式第42号)を作成し、廃棄の経緯を明らかにしておくこと。
(強制捜査の後に触法少年事件であることが判明した場合の措置)
第57条 逮捕した少年の行為が14歳未満の時に行われたものであることが明らかになった場合は、直ちに釈放しなければならない。
2 前項の規定により、身柄を釈放する場合においては、逮捕手続書及び弁解録取書を作成し、逮捕手続の過程を明確にするほか、釈放の理由を捜査報告書等により明らかにしておくものとする。この場合においては、逮捕手続書に、既に釈放した旨を記載するものとする。
3 捜索等により証拠品等を差し押さえた後、触法少年事件であることが判明した場合には、直ちに証拠品の還付手続を開始しなければならない。還付手続中又は還付した物件を引き続き必要とする場合は、第55条の規定により措置するものとする。
4 被疑者の年齢が判明しないため、既にその事件について逮捕、捜索、差押等の令状の発付を得ている場合、捜査の過程において触法少年事件であることが判明したときは、速やかに、当該令状を発付した裁判官に返還するものとする。
(触法少年の指紋の採取等)
第58条 触法少年については、指紋等を採取し、又は写真の撮影をしてはならない。ただし、真にやむを得ない事情のあるときは、別に定めるところにより実施することができる。
(触法少年の事案に関する書類の作成)
第59条 触法調査のために作成する関係書類の様式については、警察職員の職務等に関する規則第3条に定める調査概要結果通知書のほか、長官訓令等で定める様式によるものとし、長官訓令に定める申述書(長官訓令別記様式第3号。以下「申述書」という。)その他の関係書類を作成するに当たっては、当該少年に対し、当該書類の記載内容等について分かりやすく説明するとともに、記載内容の変更等を申し立てる機会を十分に与えなければならない。
(児童相談所への送致)
第60条 触法調査の結果、当該事件を児童相談所長に送致する場合は、活動規則第22条(同条第1項第2号を除く。)、第23条及び第24条の定めるところにより行うものとする。
(児童相談所への通告)
第61条 触法調査の過程において、少年が要保護児童であり、直ちに児童相談所に通告する必要があると認められた場合は、長官訓令に定める児童通告書(長官訓令別記様式第37号。以下「児童通告書」という。)により児童相談所に通告するものとする。ただし、急を要し、児童通告書を作成して通告するいとまがない場合は、電話又は口頭により当該様式の記載事項を連絡することをもって通告し、事後遅滞なく児童通告書を作成し、送付するものとする。
2 触法調査の結果、当該事件を児童相談所に通告する場合は、活動規則第22条(同条第1項第1号を除く。)及び警察職員の職務等に関する規則第3条の定める調査概要結果通知書により行うものとする。
(少年の一時保護に係る留意事項)
第62条 児童福祉法第33条の規定により児童相談所長の委託を受けて、少年を一時保護する場合には、次の事項に留意するものとする。
(1) 保護にふさわしい部屋を使用するものとし、鍵をかける場合は、当該少年の行動範囲がなるべく広くなるよう配意すること。一時保護に留置施設の部屋を使用してはならない。
(2) 当該少年が負傷し、自殺し、又は逃走することがないように注意するとともに、当該少年が火災その他自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす事故を起こさないように注意すること。
(3) 速やかにその保護者等に一時保護した旨を連絡すること。
(少年に所持させることが不適当な物件の措置)
第63条 触法少年事件の調査に当たって、触法少年事件の証拠物及び少年法第24条の2第1項各号のいずれかに該当する物件のほか、非行の防止上所持させておくことが適当でないと認められる物件を少年が所持していることを発見したときは、所有者その他の権利者に返還させ、保護者若しくはこれに代わるべき者に預けさせ、又は当該少年に廃棄させる等当該少年が当該物件を所持しないように注意、助言等をするものとする。この場合においては、物件処理票により受領書を徴する等物件の措置のてん末を明らかにする措置を講ずるものとする。
(指導教養)
第64条 本部長及び署長は、触法調査に従事する者に対し、低年齢少年の特性その他の職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を定期的に行うものとする。

第4節 ぐ犯調査

(ぐ犯調査の基本)
第65条 犯罪の捜査、触法調査、少年相談その他の活動において、ぐ犯少年と認められる者(以下この条、第68条、第72条及び第73条において「少年」という。)を発見した場合は、少年法及び児童福祉法に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、これに当たらなければならない。
2 ぐ犯調査を行うに当たっては、少年の心理、生理その他の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないように努めなければならない。
(ぐ犯調査を行うことができる警察職員)
第66条 第49条第1項の規定により本部長が指定した警察職員は、上司である警察官の命を受け、ぐ犯調査を行うことができる。
2 本部長は、前項に定める警察職員がぐ犯調査を行うに当たり、当該警察職員に対し、ぐ犯調査に係る職務の遂行に必要な指導教養をあらかじめ行うものとする。
(調査主任官)
第67条 本部長又は署長は、調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担の決定、関係機関との連絡調整その他の適正な調査の遂行及び管理のために必要な職務を行わせるため、個々のぐ犯調査につき、調査主任官を指名するものとする。
2 調査主任官が交代する場合には、関係書類等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
3 調査主任官の指名に当たっては、調査主任官指名簿(別記様式第10号)に所定事項を記載し、指名者において押印した後、指名を受けた者が閲覧できる状態におくものとする。
(呼出し質問上の留意事項)
第68条 ぐ犯調査のため、少年、保護者又は参考人を呼び出すに当たっては、呼出状の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければばらない。
2 少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の保護者等に連絡するものとする。ただし、連絡することにより、当該少年が保護者から虐待を受けるおそれが著しいときその他連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
3 少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の心情を理解するとともに、呼出しを行う場所、時期、方法等について配慮し、少年が無用な不安を抱かないよう配意するものとする。
4 少年を呼び出すに当たっては、保護者の納得を得て行うよう努めるとともに、必要に応じて保護者の同道を依頼するなど、協力と信頼をえられるよう努めるものとする。
5 ぐ犯調査のための呼出し及び質問については、本条に規定するもののほか、その性質に反しない限り、第40条及び第41条の例によるものとする。
(低年齢少年に係るぐ犯調査における配慮)
第69条 低年齢少年に係るぐ犯調査を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
2 低年齢少年であってぐ犯少年と認められる者(以下この項及び次項において「少年」という。)を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
3 少年に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の保護者その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
4 低年齢少年に係るぐ犯調査のための呼出し及び質問については、前2項に規定するもののほか、第52条及び第53条の例によるものとする。
(ぐ犯少年の送致又は通告)
第70条 ぐ犯調査の結果、次の各号に該当するときは、当該各号の手続により処理をするものとする。
(1) 処理をする時において、当該少年が14歳以上であって、その者を家庭裁判所の審判に付することが適当と認められるとき長官訓令に定めるぐ犯少年事件送致書(長官訓令別記様式第33号)を作成し、これに長官訓令に定める身上調査表(長官訓令別記様式第46号)その他の関係書類を添付して家庭裁判所に送致すること。
(2) 処理をする時において、当該少年が14歳以上18歳未満であって、保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められ、かつ、家庭裁判所に直接送致するよりも、まず、児童福祉法による措置にゆだねるのが適当であると認められるとき長官訓令に定める児童通告書により児童相談所に通告すること。
(3) 処理をする時において、当該少年が低年齢少年であって、保護者がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき児童通告書により児童相談所に通告すること。
2 前項の処理をするに当たっては、本部長又は署長の指揮を受けて行わなければならない。
(ぐ犯少年についての緊急措置等)
第71条 ぐ犯少年として家庭裁判所の審判に付すべきであると認められる少年が緊急に保護しなければならない状態にあって、その補導上必要があると認められる場合においては、電話その他の方法により、直ちに家庭裁判所にその状況を通報するものとする。
2 ぐ犯少年に対して少年法第13条第2項の規定により同行状を執行した場合において、警察署に留め置く必要があるときは、一時保護に準じて取り扱うものとし、第62条各号に掲げる事項に留意するものとする。
(少年の一時保護に係る留意事項)
第72条 児童福祉法第33条の規定により児童相談所長の委託を受けて、少年を一時保護する場合においては、第62条各号に掲げる事項に留意するものとする。
(少年に所持させることが不適当な物件の措置)
第73条 非行の防止上所持させておくことが適当でないと認められる物件を少年が所持していることを発見したときは、所有者その他の権利者に返還させ、保護者等に預けさせ、又は当該少年に廃棄させる等当該少年が当該物件を所持しないように注意、助言等をするものとする。この場合においては、物件処理票により受領書を徴する等物件の措置のてん末を明らかにする措置を講ずるものとする。
(ぐ犯少年の事案に関する書類の作成)
第74条 ぐ犯少年を家庭裁判所に送致し、又は児童相談所に通告するに当たっては、当該少年の適正な処遇に資するため、長官訓令に定めるぐ犯少年事件送致書(長官訓令別記様式第33号)又は児童通告書のほか、必要に応じて、調査報告書、当該少年及び関係者の申述書又は答申書(様式任意)その他必要な書類を作成し、又は徴するものとする。
2 ぐ犯少年と認められる者の申述書を作成する場合は、当該少年の年齢、知能等に応じた平易な言葉を用いるものとする。申述書には、当該少年の署名及び押印又は指印(以下「署名押印等」という。)を求めるものとする。また、事情聴取に立ち会い、又は申述書の内容を確認した保護者等がある場合には、当該保護者等にも署名押印等を求めるものとする。
3 ぐ犯少年が少年法第24条の2第1項各号のいずれかに該当する物件その他家庭裁判所の審判に必要と認められる物件を所持しているときは、その同意を得た上で、一時これを預かるものとする。この場合、当該物件を預かった警察職員は、預り書(別記様式第11号)を作成するとともに、保護者等の申述書を作成し、当該物件を預かった旨を明らかにする書面を当該少年又は保護者等に交付する等して、物件の預かりのてん末を明らかにしておくものとする。
4 ぐ犯少年以外の者が、少年法第24条の2第1項各号のいずれかに該当する物件を所持している場合等で、事案処理のため特にその物件を必要とするときは、所有者等の協力を得て、任意差出書(別記様式第12号)とともにその物件の提出を求めるものとする。このとき、提出者には、任意差出書の写しを交付する等して、そのてん末を明らかにしておくものとする。
5 3又は4の場合において、被害者その他権利者に物件を返還させる場合は、受領書(別記様式第13号)を徴すること。また、非行の防止上所持させておくことが適当でないと認められる物件を少年が所持していることを発見し、これを所有者その他の権利者に返還させた場合は、当該権利者から受領書を徴する等物件の措置のてん末を明らかにする措置を講ずるものとする。
(指導教養)
第75条 本部長及び署長は、ぐ犯調査に従事する者に対し、職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を定期的に行うものとする。

第5節 不良行為少年の補導

(少年補導票の作成及び報告)
第76条 不良行為少年を発見した場合において、活動規則第14条第1項に規定する保護者又は関係者への連絡を行うことが必要であると認めるときは、少年補導票(別記様式第14号。以下「補導票」という。)を作成し、所属長に報告するものとする。
2 警察本部の所属長(少年課長を除く。)が前項の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を少年課長に速やかに連絡するものとする。
(不良行為少年に対する継続補導)
第77条 不良行為少年に対して継続補導を実施する場合には、第2章第3節の定めるところにより実施するほか、少年に対する言葉遣い等に配慮するものとする。
(補導票の保管)
第78条 補導票を作成した場合は、当該少年の住居地を管轄する警察署(以下「居住地警察署」という。)において保管するものとする。
2 居住地警察署以外の所属において補導票を作成した場合は、当該所属の長は、補導票を当該少年の居住地警察署に送付するものとする。この場合において、当該少年の住居地が、他の都道府県警察(北海道警察の方面本部を含む。以下同じ。)の警察署の管轄区域内にあるときは、少年課を通じて送付するものとする。

第4章 少年の保護のための活動

第1節 被害少年に係る活動

(被害少年に対する支援)
第79条 被害少年については、現場における適切な助言、関係機関の紹介、再び被害にあうことを防止するための助言又は指導を行う等必要な支援を実施するものとする。
2 被害少年に対する支援の実施に当たっては、必要に応じて、犯罪被害者支援部門との連携に留意するものとする。
(被害少年に対する継続的な支援)
第80条 前条に定めるもののほか、被害少年について、その精神的打撃の軽減を図るため特に必要と認められるときは、保護者の同意を得た上で、カウンセリングの実施、関係者への助言その他の継続的な支援を実施するものとする。
2 被害少年に対する継続的な支援の実施に当たっては、臨床心理学、精神医学等の専門家の助言をうけるなどして、被害少年の特性に留意するものとする。
3 第20条の規定は、被害少年に対する継続的な支援について準用する。
(発表上の留意事項)
第81条 少年が被害者である事件について、新聞その他の報道機関に発表を行うときは、被害少年のプライバシーに十分に配慮するものとする。

第2節 福祉犯に係る活動

(福祉犯の取締り)
第82条 福祉犯事件を認知した場合においては、時機を失することなく、捜査を行うものとする。本部長及び署長は、少年警察部門以外の部門に属する警察官が行う福祉犯事件の捜査についても、少年警察部門に属する警察官が捜査し、又は調査している事件と密接な関係がある場合等においては、必要に応じ、少年警察部門に属する警察官に捜査させるよう配意するものとする。
(福祉犯の被害少年の保護等)
第83条 福祉犯の被害少年については、当該福祉犯に係る捜査、第81条及び第82条に規定する支援のほか、当該少年が再び被害に遭うことを防止するため保護者、学校関係者その他の関係者に配慮を求めるものとする。
2 本部長又は署長は、同種の福祉犯の発生を防止するため必要と認められるときは、関係行政機関に対して連絡し、関係者による再発防止のための取組みを促し、又は地域住民に対する広報啓発を行う等必要な措置をとるものとする。

第3節 要保護少年及び児童虐待に係る活動

(要保護少年の通告等)
第84条 要保護少年を児童相談所に通告するに当たっては、児童通告書により行うものとする。ただし、急を要し、児童通告書を作成するいとまがないと認められる場合は、電話又は口頭により当該書面の記載事項を連絡することをもって通告し、事後遅滞なく当該書面を作成し、送付するものとする。
2 前項の通告を必要としない要保護少年については、保護者等に注意、助言をする等少年の保護のため必要な措置をとるものとする。
(要保護少年の一時保護)
第85条 児童福祉法第33条の規定により児童相談所長の委託を受けて、要保護少年を一時保護する場合においては、第62条各号に掲げる事項に留意するものとする。
(児童虐待)
第86条 児童虐待は、人格形成期にある児童の心身に重大な影響を与えるものであることから、児童の安全の確認及び安全の確保を最優先とした対応の徹底を図るものとする。
2 児童虐待を受け、又は受けているおそれのある児童については、児童相談所その他の関係機関との緊密な連携の下、当該児童の精神的被害の回復のためカウンセリング、再発を防止するための保護者に対する助言又は指導その他の当該児童に対する支援を的確に実施するものとする。
3 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第10条に基づく援助の求めがあった場合においては、その求めをした者との適切な役割分担の下、必要な措置をとるものとする。

第5章 記録

(少年事件処理簿)
第87条 少年警察部門に、長官訓令に定める少年事件処理簿(長官訓令別記様式第44号)を備え、個々の触法少年事件又はぐ犯少年事件につき、調査の指揮及び事件の送致又は通告その他の事件の処理の経過を記載するものとする。この場合においては特に第9条第1号から第5号までに掲げる事項を明らかにしておくものとする。
2 犯罪少年事件に係る記録については、規範第201条の定めるところによるほか、少年の特殊性にかんがみ、前項後段の規定の例によるものとする。
(少年事案処理簿)
第88条 少年警察部門に、少年事案処理簿(別記様式第15号)を備え、児童相談所への通告が必要と認められる個々の要保護少年ごとに、事案の処理の経過を明らかにしておくものとする。この場合においては特に第9条第6号及び第7号に掲げる事項を明らかにしておくものとする。
2 不良行為少年に対して、継続補導を実施した場合においては、その処理の経過を前項に定める少年事案処理簿に明らかにしておくものとする。
(呼出簿)
第89条 少年警察部門に、長官訓令に定める呼出簿(長官訓令別記様式第40号)を備え、第51条及び第65条の定めるところにより、触法調査及びぐ犯調査のための呼出しを行う場合は、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。
(令状請求簿)
第90条 少年警察部門に長官訓令に定める令状請求簿(長官訓令別記様式第45号)を備え、第55条第1項の令状を請求したときは、請求の手続、発付後の状況等を明らかにしておかなければならない。
(少年カード)
第91条 送致又は通告の措置をとった非行少年(交通法令違反に係る非行少年及び交通事故に係る刑法第208条の2又は第211条の罪に係る非行少年を除く。)及びその他特に必要と認められる少年については、その適正な処遇及び健全な育成に資するため、少年カード(別記様式第16号)を作成するものとし、当該少年の居住地を管轄する警察署(以下「居住地警察署」という。)において保管するものとする。
2 居住地警察署以外の所属において少年カードを作成した場合は、当該所属の長は、少年カードの原本を居住地警察署の署長に送付し、必要に応じ、その写しを保管するものとする。
3 前項の場合において、居住地警察署が他の都道府県警察の警察署であるときは、少年課を通じて送付するものとする。
(定期報告)
第92条 署長は、少年警察活動の状況を、それぞれ次の事項に定める様式により月報として、翌月5日までに必着するよう本部長に報告しなければならない。
(1) 少年相談取扱状況表(別記様式第17号)
(2) ぐ犯少年補導状況表(別記様式第18号)
(3) 少年補導職員活動状況報告(別記様式第19号)
2 不良行為少年の補導状況については、不良行為少年補導状況管理システムにより入力するものとする。
(記録の作成、保管等)
第93条 補導票、少年事案処理簿、少年カードの作成、保管その他の細目については、別に定めるところによる。

(別記様式省略)
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