少年補導員制度の実施について(例規)

(最終改正:平成20年2月12日 務第9号)
和歌山県警察本部長から各所属長あて
警察における少年非行防止活動の一層の推進を図るため、別添のとおり少年補導員制度運営要綱(以下「要綱」という。)を定め、昭和43年4月1日から施行することにしたので、同日付で補導員の委嘱発令ができるよう適任者の人選に努め推薦の手続をするとともに、次の事項に留意のうえ、それぞれの地域事情に適応した方法により効果的運営につとめられたい。
なお、補導員の教養のための資料等については本部において作成し配布する。また、これに関する経費については別に指示する。
第1 制度の趣旨
非行少年等の早期発見、補導及び要保護少年に対する保護活動の徹底並びに有害環境の排除等非行防止に直結する諸活動は、ひとり警察活動のみによるものでなく、広く地域社会全体の問題としてとり上げ、それぞれの地域に即応した具体的な施策が推進されなければならない。
このような観点から、従来青少年補導センター単位で委嘱している少年補導委員制度とは別個に、署管内全部を対象とした少年補導員(以下「補導員」という。)制度を実施することになったものである。
この要綱の目的は、少年非行防止のための民間協力者を広く県下全域に委嘱し、実効のあがる民間協力体制を確立し、県下の隅々まで民間活動家による少年補導の実践体制を整えいわゆる地域ぐるみの非行防止活動を推進しようとするものである。
第2 補導員の委嘱
1 委嘱者
補導員の委嘱は、警察署長の推薦に基づき警察本部長が行うこととした。
2 推薦の方法
警察署長は、補導員を推薦しようとするときは、あらかじめ学校、防犯団体、婦人団体、青少年団体、職域団体その他地域における関係団体、機関等の意見を聞くなどの方法により適任者を選出し、少年補導員候補者名簿(別記様式第1号)により推薦するものとする。ただし、新規に推薦する者にあっては、少年補導員推薦書(別記様式第2号)を添付推薦するものとする。
3 選出時の留意事項
(1) 補導員が任期途中において資格年齢を超えることのないよう、委嘱時の年齢は68歳以下とすること。
(2) 保護司又は市町村が委嘱している少年補導委員は原則として選出しないこと。
(3) 民事又は刑事の事件に関わり、協調性を欠くなどその発言、行動等についてとかく批判のある者は避けること。
4 委嘱の方法
警察本部長は、委嘱に当たっては、委嘱状(別記様式第3号)及び少年補導員証(別記様式第4号)を交付するものとする。
5 補導員の解嘱
(1) 解嘱の事由は、長期治療を要する疾病、負傷又は非違があったことなどにより、補導員としての任務を遂行することが困難となり、又は社会道徳上、補導員としてふさわしくない事由が生じたときなども含むものとする。
(2) 署長は、少年補導員の任期が満了し、又は解嘱されたときは少年補導員証を返納させるものとする。
(3) 署長は、少年補導員から「少年補導員証」の紛失又は損傷した旨の届出を受理したときは、再交付の手続きをとるものとする。
第3 補導員の任務
補導員の任務は要綱第2の4に示すところであるが、その業務の内容は次のとおりである。
1 要保護少年の発見保護に関する活動
放置すれば非行化し、あるいは転落するおそれのある少年を保護し、あるいはこれらの少年について相談に応ずる等の活動であり、これが主要な業務のひとつといえる。補導員は警察や福祉機関の眼の届かない点についてまで、実情を知り得る機会が多いことに着目し、こうした少年に対する保護並びに関係機関に対する通報連絡などの業務を分担してもらうことは、極めて効果的である。
2 非行少年等の発見補導
補導員は、居住地域の事情に精通しているという長所を活かして、日常生活を通じ自主的な問題少年の発見補導活動をしてもらうよう配意すべきである。
従来、発見活動といえば、特別に計画された街頭補導への参加依頼に偏する傾向がみられたが、補導員の街頭補導への参加は、実地研修その他特別の場合に限ることとし、平素は居住地域に密着した自主的な補導活動に当たるよう留意すること。
3 継続補導
非行少年のうちで、特に継続して注意、助言を行う必要のある少年に対する継続補導の業務については、民間有志による活動に期待される場合が少なくない。
警察署長は、補導員に継続補導を依頼する場合には、少年補導に関する理解と熱意を有し、かつ、当該少年や保護者等から真に信頼される人物を当てるよう留意しなければならない。
なお、継続補導を依頼する場合は、次の事項に留意することを要する。
(1) 保護者等から依頼のあったものであること。
(2) 少年の非行防止上特に必要と認められるもので、保護者等から承諾の得られたものであること。
(3) 実施期間は、あまり長期にわたらないよう留意し、おおむね3か月程度に及んでも更生の見込みが判然としないものについては、警察の専従員に担当させるなどの措置をとらせること。
(4) 補導に当たっては、必要以上に家庭内の問題に深入りするなど、保護者等からとかく批判を受けないよう、あらかじめ十分指導しておくこと。
4 有害環境の浄化
(1) 発見通報
補導員は、地域社会において、平素から少年をめぐる有害環境に着目し、これを発見した場合には、その都度警察署長に通報すること。
警察署長は通報を受けた問題についてその署で処理できるものは、これに対して警告、勧告、要望または検挙する等速やかにその事象に応じた適当な措置をとり、県本部又は関係機関の措置に委ねるものについては、速やかにそれらの機関等に報告又は連絡すること。
(2) 自主的排除活動
補導員は、発見した問題点を通報するという活動と併行して、地域社会の環境浄化についても自主、積極的な活動が推進されるよう配意すべきである。
「地域住民による排除機運の盛り上り」が関係者等に対して大きな影響を与えてきたことは、過去における事例の示すところである。地域住民による自主的活動には具体的には「有害図書排除運動」などがみられるが、これらの活動を促進して行くうえでも補導員に期待されるところが大きい。
5 支援活動と環境づくり
(1) 環境美化活動、社会福祉活動、生産体験活動等の社会参加活動や少年たちを集めてスポーツをする等「居場所づくり」を提供する。
(2) 一戸一灯点灯運動、鍵かけ(自転車の二重錠)運動等の非行の起こりにくい環境づくりの促進に努めること。
6 その他
非行少年等の早期発見、有害環境の浄化活動等については、各地域に共通した一般的活動であるが、このほかにもそれぞれの地域の特性に応じた次のような活動も考えられる。
(1) 留守家庭の少年非行防止活動
(2) 商店街等における万引防止活動
(3) 土地の悪風習等を追放するための活動
第4 少年補導員連絡会(以下「連絡会」という。)及びその部会の運営
1 連絡会
連絡会の運営については、次によるものとする。
(1) 連絡会を代表するものとして、補導員の互選により任期ごとに会長を定めておくこと。
(2) 連絡会の開催については、会長が必要と認めた場合にも随時開催できるものとすること。
2 部会
部会は、連絡会の構成その他地域の実情に応じて設置されるものであり、非行対策の協議、活動方法の研修等を行うことを目的とする。
部会の構成等を例示すると次のとおりである。
(1) 学校部会
児童、生徒の非行防止に関する対策を担当するものとし、学校教師及び児童、生徒に最も関係の深い補導員をもって構成する。
(2) 職場部会
勤労少年の非行防止に関する対策を担当するものとし少年を雇用する職場の関係者及び勤労少年対策に最も適任と認められる補導員をもって構成する。
(3) 環境部会
主として有害環境浄化のための活動を担当するものとし、防犯自治会、婦人団体、青年団体等に所属する補導員をもって構成する。
(4) 継続補導部会
継続補導を担当する補導員によって構成し、各担当ケースについての意見交換、補導技術について相互研修に努めるものとする。
なお、補導員の定数が少ない者にあっては、学校、職場部会あるいは環境、継続補導部会というような構成も考えられる。
第5 運営上の留意事項
1 自主活動の促進
この要綱に規定する補導員の活動は、当該地域での警察に対する任意の協力援助であることを念頭におき、補導員の自主的活動の促進に当たること。
2 自主的活動促進上の注意
補導員が、この要綱に基づき活動するに当たり、司法権を行使したり、あるいは刑事事件や民事事件に介入したというそしりを受けないよう指導の徹底を図るとともに運用面に留意すること。
3 補導員の保護
補導員が通報した事項については、すべて「秘」扱いとし、通報したことによって危害を受けるおそれのある場合は、その保護に万全の措置を講ずること。
4 既存協力体制の活用
この制度の運営に当たっては、既存の民間協力体制の活用、協調について十分配慮し、これら民間協力体制保持のうえに無用の誤解や摩擦を生ずることのないよう特に注意すること。
5 補導員の教養
補導員が委嘱された場合、警察署長は、少年非行の傾向関係法令の基礎知識、少年補導に当たっての心構え、危害防止についての配意事項等について教養に努めるほか、随時管内における少年補導上の参考資料の配布並びに連絡会、部会等の開催日をとらえて必要な教養を実施すること。
6 防犯協議会等との連携
補導員の活動は、密接な関係にある防犯協議会の行う活動への参加や合同活動を行う等相互連携を強化すること。
7 補導センターとの関係
警察署長は、管轄区域内において青少年補導センターの活動が行われている場合には、補導員の活動について当該青少年補導センターが担当している非行対策との調整に留意すること。
8 交番、駐在所勤務員との関係
交番、駐在所勤務員は、受持区内居住の補導員との連絡を緊密にするため、通常勤務を通じ努めて接触の機会をつくり、情報交換に努めさせること。
9 秘密の保持
補導員が補導活動で知り得た情報など秘密に係る事項を漏らさないよう、また関係者の名誉など害さないよう指導の徹底を図ること。
10 報告
警察署長は、補導員の活動状況を少年補導員活動状況報告(別記様式第5号)により翌月10日までに報告すること
(様式省略)

別添

少年補導員制度運営要綱

第1 総則
1 目的
この要綱は、少年補導員(以下「補導員」という。)制度の運営に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
2 運用上の留意事項
(1) 警察本部長及び警察署長(以下「本部長」及び「署長」という。)は、少年補導員制度の効果的運営を図り地域社会における少年の非行防止活動の促進に努めるものとする。
(2) 本部長及び署長は、この要綱の運営に当たっては、県青少年問題協議会(市町村青少年問題協議会)及び青少年育成県民会議並びに県青少年総合対策本部(地方青少年対策部及び市町村青少年対策本部)と緊密な連絡を図るとともに、これらに参加している関係機関、団体等が実施する青少年対策との協調に努めるほか、次の事項に留意し地域社会における少年の非行防止活動の促進に努めるものとする。
ア 補導員の活動が積極的に推進されるよう、参考資料の配布、研修会の開催等その任務の遂行に必要な知識、技能の向上を図るよう努めること。
イ 補導員に対する任務の依頼は、当該補導員の性別、年令、職業、性格等に最も適合したものを選んで行うこと。
ウ 補導員に対しては、その任務の遂行を通じて知り得た秘密を漏らすことのないよう留意させること。
第2 補導員
1 委嘱
補導員は、署長の推薦に基づき警察本部長(以下「本部長」という。)が委嘱する。
2 選考の基準
署長は、前項の推薦に当たっては、特定の階層及び特定の地域居住者等に偏しないよう配意するとともに、次の要件を具備している者を推薦するものとする。
(1) 補導員の資格年齢は70歳以下とし、任期途中において資格年齢を超えることのないようにすること。
(2) 人格及び行動について社会的信望を有すること。
(3) 任務の遂行に必要な熱意を有し、少年補導について適格性を有すること。
(4) 身体的にも年令的にも実行力を有すること。
(5) 少年非行防止に協力するための時間的余裕を有すること。
3 各署別定数の基準
各署別の補導員の定数の基準は、別表のとおりとする。
4 任務
補導員の任務は、おおむね次のとおりとする。
(1) 少年の保護及び少年相談に関すること。
(2) 非行少年等(和歌山県少年警察活動規程第2条第5号及び第6号に定めるものをいう。)の早期発見、補導及び必要な継続補導に関すること。
(3) 少年をめぐる有害環境の浄化に関すること。
(4) 非行防止のための地域社会に対する啓蒙に関すること。
(5) 地域社会における少年の居場所づくりの促進に関すること。
(6) 非行の起こりにくい環境づくりの促進に関すること。
(7) その他前各号の目的を達成するため、地域の特性に応じて必要と認められること。
5 任期
補導員の任期は2年とする。ただし、再委嘱を妨げない。
6 解嘱
本部長は、補導員から辞職の申出があったとき、又は補導員が次の各号の一に該当するときは任期中であっても警察署長の上申に基づいて、これを解嘱することができる。
(1) 心身の故障その他の理由により、補導員としての活動ができなくなったとき。
(2) 補導員としてふさわしくない行為があったとき。
第3 交番、駐在所勤務員の留意事項
交番、駐在所勤務員は、所管区内の補導員と緊密な連絡を保持するとともに、通常勤務を通じて補導員の任務に積極的に協力しなければならない。
第4 補導員連絡会
1 組織
補導員の知識、技能の向上を図るとともに、管轄区域内における非行対策の効果的実施について連絡協議するため、警察署単位に補導員連絡会(以下「連絡会」という。)を組織する。
2 構成
連絡会は、警察署管内の補導員をもって構成するものとし必要に応じ学校、職場、関係機関、団体等の代表者の参加を求めることができる。
3 連絡会の開催
連絡会は、定期連絡会及び随時連絡会とする。定期連絡会は、時期を定め年1回以上開催するものとし、随時連絡会は署長が必要と認めた時期に開催するものとする。
4 部会
(1) 連絡会には、その所属する補導員の任務分担に応じた部会を設けることができる。
(2) 部会は、それぞれの任務分担にしたがい、非行対策の実施方法を協議するとともに、補導員の活動に関する検討とその効果的な活動方法の研究を行うものとする。
(3) 各部会は、必要に応じ開催するものとする。
5 連絡会及び部会の運営に当たっての留意事項
署長は、連絡会及び部会の運営に当たっては、地方青少年対策部、青少年補導センター、市町村青少年問題協議会、市町村青少年対策本部その他の関係機関、団体と緊密な連絡を図るものとする。
第5 その他
この要綱は、昭和43年4月1日から実施する。

別表
各署別少年補導員定数基準表
署名補導員数
橋本17
かつらぎ17
岩出31
和東41
和西41
和北31
海南31
有田12
湯浅21
御坊31
田辺34
白浜16
串本16
新宮25
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