共同住宅の安全基準
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共同住宅の防犯環境設計
複数の防犯対策をバランス良く取り入れるのがポイントです。
具体的な防犯対策
1 塀・柵(フェンス)・垣・門柱・門扉
- 塀・柵・垣は、道路等からの見通しを良くするとともに、侵入の足場とならないものとする。
- 敷地出入口は、できる限り一箇所とし、人通りの多い位置や周囲からの見通しが良い位置に設置する。
- 人が隠れられるような死角を作らない。
2 共用出入口
- 共用玄関は、周囲からの見通しが良い位置に配置する。
- 共用出入口の扉には、オートロック方式を導入することが望ましい。
- 共用玄関にオートロック方式を導入した場合には、共用玄関以外の共用出入口の扉にもオートロック方式を導入する。
- 共用玄関の夜間照明は、50ルクス(10メートル先の人の顔・行動を明確に識別でき、誰であるか明確に分かる程度)以上の照度を確保する。
- 共用玄関以外の共用出入口の夜間照明は、20ルクス(10メートル先の人の顔・行動が識別でき、誰であるか分かる程度)以上の照度を確保する。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。また、防犯カメラ設置の表示をすることで更に効果が高まる。
3 共用メールコーナー
- 共用玄関付近から見通しの良い位置に配置する。
- 夜間照明は50ルクス(10メートル先の人の顔・行動を明確に識別でき、誰であるか明確に分かる程度)以上の照度を確保する。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。
4 管理人室
- 共用玄関、共用メールコーナー(宅配ボックスを含む。)及びエレベーターホールを見通せる位置や、これらに接近した位置に設置する。
5 エレベーターホール
- 各階のエレベーターホールは、共用玄関付近や管理人室、各住戸等からの見通しの良い位置に配置する。
- 夜間照明は、50ルクス(10メートル先の人の顔・行動を明確に識別でき、誰であるか明確に分かる程度)以上の照度を確保する。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。
- 雨戸又はシャッターを設置する。
6 エレベーター
- エレベーターは、外部から見通せる窓、又はスリットの入った扉を設ける。
- エレベーターのかご内の照明は、50ルクス(10メートル先の人の顔・行動を明確に識別でき、誰であるか明確に分かる程度)以上の照度を確保する。
- 運行は、「防犯運行ボタン」を押すと一人しか乗れなくなり、目的階まで直行できる「防犯運行方式」、あるいは「夜間各階止まり方式」を採用する。
- 非常ボタンは、かご内の2箇所以上の異なる位置に設ける。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置することが望ましい。
7 共用廊下、共用階段
- 共用階段は、住戸の玄関ドアと正対させ、共用廊下に開放された形態であることが望ましい。
- 手すり・腰壁は、見通しの良いものとする。
- 夜間照明は、20ルクス(10メートル先の人の顔・行動を識別でき、誰であるか分かる程度)以上の照度を確保する。
- 各階の踊り場に非常ボタンを設置することが望ましい。
8 屋上
- 防犯機器を活用する。
- 屋上への扉は、通路と屋上を完全に遮断する構造とする。
- 扉の錠は、管理人室等からのリモコン開閉システムや災害自動感知錠とするのが望ましい。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。
9 自動車駐車場、自転車・オートバイ置き場
- 周囲や住戸等からの見通しが良い位置に設置する。
- 自動車駐車場や自転車・オートバイ置き場の周囲に、見通しの良い扉(自動ゲート管理システム)や柵等を設置する。
- 自動車駐車場や自転車・オートバイ置き場とそれ以外の敷地との境界線にも、見通しの良い扉や柵等を設置する。
- 自動車駐車場の駐車場所の路面において、2ルクス(10メートル先の人の顔の向き、目・鼻・口の位置が識別できる程度)以上の照度を確保する。
- 自動車駐車場の車路路面において、10ルクス(5メートル先の人の大まかな向きが識別できる程度)以上の照度を確保する。
- 自転車・オートバイ置き場の照度は、3ルクス(4メートル先の人の挙動・姿勢等が識別できる程度)以上の照度を確保する。
- 自転車・オートバイ置き場には、チェーン用バーラック等の盗難防止設備を設置する。
- 録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。
- 自主防犯を呼び掛ける防犯指導看板等を、見えやすい場所数箇所に掲出する。
10 庭木
- 庭木は、周囲からの見通しを考慮し、樹種の選定や植栽の位置に配慮する。
- 低木は、地表から1メートル以下とする。
- 高木は、建物から2メートル以上離すとともに地表から1.5メートル以下の下枝をせん定する。
11 住戸の玄関
- 玄関は、できる限り道路などから見通せる位置に設置することが望ましい。
- 玄関のドアや錠は、ピッキング・カム送り解錠(バイパス解錠)・サムターン回しなどの不正解錠や破壊に強いものとする。
- 錠のカンヌキが外側から見える場合は、ガードプレートを取り付ける。
- 錠はCP錠(財団法人全国防犯協会連合会がCP認定制度に基づき認定した錠)などを使用する。
- 錠シリンダーは、CP-C錠(財団法人全国防犯協会連合会がCP認定制度に基づき認定した錠シリンダー)などを使用する。
- 主錠と同様の高い防犯性を有する補助錠を取り付ける(ワンドアツーロック)。
- ちょうつがいは、軸(ヒンジピン)が容易に抜けないものを使用する。
- ドアボスは、扉のちょうつがいを外して侵入される手口に効果的である。
- ドアには、ドアチェーンを取り付ける。
- ドアガードタイプのものは、ドアの外から外される危険性があるので注意する。
- ドアスコープとインターホンかテレビドアホンを取り付ける。
- ドアに郵便受けを設ける場合は、容易に破壊されたり、受け口から屋内を覗かれないものや受け口から手を差し入れられないものとする。
- 明かり取りガラス部は、錠付近に設けないのが望ましい。
12 住戸の窓
- 窓は、できるだけ周囲からの見通しが良く、外部から簡単に接近できないような位置に設置するのが望ましい。
- 補助錠を設置し、ツーロックにする。
- 窓ガラスは、破壊に強い防犯合わせガラス又は複層ガラスを使用することが望ましい。
- 雨戸又はシャッターを設置する。
- 掃き出し窓には、雨戸又はシャッターを設置する。
- 雨戸は、雨戸本体と雨戸枠が一体となった金属製雨戸を設置するのが効果的である。
- 雨戸錠は、上下2箇所で施錠するのが効果的である。
- 共用廊下に面した腰高窓(肘掛け窓)には、面格子を設置する。
- 面格子は、防犯性が高い、鉄製又はアルミ鋳物製で、サッシ一体型の井げた若しくは錠クロス格子が効果的である。
- 面格子は、防災面を考慮して、内側から開閉できるものが望ましい。
- ルーバー窓(ジャグジー窓)には、必ず面格子を設置する。
13 ベランダ
- ベランダは、電柱・塀・高木など、侵入の足場となるものとの位置関係に留意する。
- ベランダの手すり・腰壁は、プライバシーの保護、転落防止又は構造上支障のない範囲において、周囲からの見通しの良いものとする。
- ベランダが侵入されやすい位置にある場合は、手すりを高くしたり、トップガードを設置する。
- 雨樋、配水管やエアコンの室外機は、窓やベランダに接して配置しない。
14 ホームセキュリティの活用
- 防犯機器を活用する。
- 窓などにマグネットセンサー、ガラス部に破壊・振動センサー、ベランダなどへの侵入を感知するセンサー付きサイレン、防犯ビデオカメラなどを設置すると効果がある。
- 警備業者の防犯監視システムを導入するのも効果的である。
15 自主防犯(ソフト対策)
- 自分の住まいだけは犯罪の被害に遭わないといった意識を持たない。
- 短時間の外出でも、ドアや窓ガラス戸の施錠を励行する。
- 外出時、玄関ドアの鍵を必ず所持する。
- 玄関ドアには、常時ドアチェーンを掛けておく。
- 新聞、郵便物や洗濯物の取り込みを励行する。
- ハシゴやゴミ箱を敷地内に放置しない。
- 夜間、タイマースイッチで屋内の電灯を自動的に点灯させるのも効果がある。
- 短時間の外出時にラジオやテレビをつけておくと効果がある。