店舗・事業所の安全基準
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店舗・事業所の防犯環境設計


複数の防犯対策をバランス良く取り入れるのがポイントです。
具体的な防犯対策
1 出入口
(1)ガラス引き戸(自動ドア)
- ガラスの周囲の框(かまち)は、破壊に強い材質・構造のものとする。
- 防犯ガラスなど破壊に強いガラスを使用する。
- 下框には、扉持ち上げ防止金具を取り付ける。
- 通用口がある場合は、客用出入口は屋内錠とする。
- 客用出入口の外側に鍵穴を設けない。
- シャッターを併設する。
- パイプシャッターは屋内側に設置し、マグネットスイッチ、ガラス破壊センサーを取り付ける。また、常時(閉店後も)照明を点灯する。
- シャッターの中柱は、引き出されないように、錠付き中柱を使用する。
- 電動式の重量シャッターは、効果的である。また、閉店後、電源を切ると更に効果がある。
- 電動シャッターの屋外スイッチボックスは、強化スイッチボックスなど破壊に強いものとする。

(2)開き戸
- 通用口は、できる限り周囲から見通しの良い位置に設置する。
- ドアや錠は、ピッキング・カム送り解錠(バイパス解錠)・サムターン回しなどの不正解錠や破壊に強いものとする。
- 錠のカンヌキが外側から見える場合は、ガードプレートを取り付ける。
- 錠は、CP錠(財団法人全国防犯協会連合会がCP認定制度に基づき認定した錠)などを使用する。
- 錠シリンダーは、CP-C錠(財団法人全国防犯協会連合会がCP認定制度に基づき認定した錠シリンダー)などを使用する。

- 主錠と同様の高い防犯性を有する補助錠を取り付ける(ワンドアツーロック)。
- ちょうつがいは、軸(ヒンジピン)が容易に抜けないものを使用する。
- ドアボスは、扉のちょうつがいを外して侵入される手口に効果的である。
- ドアスコープとインターホンとテレビドアホンを取り付ける。
- ドアに郵便受けを設ける場合は、容易に破壊され、受け口から手を差し込まれたり、屋内を覗かれないものとする。
- 明かり取りガラス部は、錠付近に設けないのが望ましい。

2 ショーウィンドー・窓
(1)ショーウィンドー
- 防犯合わせガラスなど破壊に強いガラスを使用する。
- ショーウィンドーは、閉店後も常時点灯する。
- シャッターを併設する。
- ガラス破壊センターを取り付ける。

(2)窓
- 防犯合わせガラスなど破壊に強いガラスを使用する。
- 補助錠を取り付ける。
- 給湯室や便所の窓など、人目に付きにくい場所にある窓には丈夫な面格子を取り付ける。
- 面格子は、防犯性が高い鉄製又はアルミ鋳物製のサッシ一体型井桁若しくは菱クロス格子が効果的である。
- 面格子は、防災面を考慮して、内側から開閉できるものが望ましい。

3 外壁等
- 外壁は、破壊に強い構造・材質とする。
- 雨樋、配水管やエアコンの室外機などは、窓などの開口部に接して設けない。

4 非常階段
- 屋外の非常階段の手すり・腰壁は、転落防止又は構造上支障のない範囲で、周囲からの見通しの良い構造・形態とする。
- 20ルクス(10メートル先の人の顔・行動が識別でき、誰であるか分かる程度)以上の照度を有する常夜灯を設置する。

5 屋上
- 屋外の非常階段を利用して屋上へ上がれる場合は、容易に乗り越えられず、すり抜けられない構造の扉を設置するのが望ましい。
- 扉の錠は、事務所などからのリモコン開閉システムや災害自動感知錠とする。

6 事務所
(1)扉、窓
- 事務所の扉・窓は、「出入口」及び「ショーウィンドー・窓」に準じて防犯対策を講じる。
(2)間仕切り壁
- 事務所の間仕切り壁は、外壁と同様に破壊に強い構造・材質とする。
(3)金庫
- 防盗金庫を設置する。
- 大型の防盗金庫でもアンカーボルトなどで床などに固定し、固定用ボルトを切断されない措置を講じる。
- GPS(全地球測位システム)を利用した位置検索システムの活用は、被害に遭った場合の被害回復に効果的です。

7 共用便所
- 客など不特定多数の者が利用する共用便所への出入口は、従業員等が見通せる位置・構造とする。
- 各個室毎に非常ベル等の押しボタンを設置するとともに、低年齢者でも理解できる表示を行う。

8 警備員の配置等
- 警備員が常駐、若しくは巡回し、又は録画できる防犯ビデオカメラを設置するのが望ましい。
- 防犯カメラ設置の表示をすることで更に効果が高まる。
9 機械警備システムの活用
- 警備業者の防犯監視システムを導入するのが望ましい。

10 自主防犯(駐車場の防犯基準)
- 周囲や住戸等からの見通しが良い位置に設置する。
- 自動車駐車場や自転車・オートバイ置き場の周囲に、見通しの良い扉や柵等を設置する。
- 自動車駐車場の駐車場所の床面において、2ルクス(10メートル先の人の顔の向き、目・鼻・口の位置が識別できる程度)以上の照度を確保する。
- 自動車駐車場の車路の床面において、10ルクス(5メートル先の人の大まかな向きが識別できる程度)以上の照度を確保する。

11 自主防犯(従業員等の防犯行動基準)
- 防犯責任者を定め、アルバイトを含めた全従業員に対する防犯意識の高揚を図る。
- 終業時には、屋内の扉・窓を含めて、施錠を徹底する。
- 夜間・休日には、多額の現金を事務所に置かない。
- 閉店後は、高額商品をショーケースに入れたままにせず、防盗金庫に収納する。
- ショーウィンドーは、閉店後も照明を点灯する。
- 近隣住民等との連携を醸成し、夜間等における不審者、物音を見聞きした場合の早期通報(110番)協力体制を確保する。
